映画の最終楽曲が決定し、世界的な活動を続けるS.E.N.S.のみなさんとその所属プロダクション「S.E.N.S. Company」の馬場さんが音楽プロデュースをして下さり、すべてに楽曲がはまってついにオリジナルの映画「ふしぎな石」が完成しました。
そこで大切なのがMA(Multi Audio)という仕事。音楽を入れ、そのレベルを調整し、ノイズを取り除き、声を引き立たせる。整音という作業は実に微妙なレベルの差を聞き分けて進むプロの仕事です。
今回はS.E.N.S. Companyの馬場さんに紹介して頂いた「マスヤ」の益井さんというプロフェッショナルにMAをお願いしてきました。
益井さんと
タンザニア滞在時代からずっとメールでやり取りしながら細かいところを詰めてきました。そして実に5回以上の作業を経て、最もこだわった「丹野さんのシーン」の音圧を決めていきました。
ここは、この映画で最も大切なシーンです。だから、丹野さんの語りを打ち消さないように。しかし音楽が追従してゆっくりと、しかし確実に丹野さんの気持ちを楽曲もまた伝えられるように、と整音を進めてきました。そして最終案が出てなお、桑山は納得ができず、ついにこの水曜日益井さんのスタジオにお邪魔して、直接聴きながら最後の音圧を決めていきました。
横にはS.E.N.S. Companyの馬場さんもいらっしゃって、意見を下さっています。
S.E.N.S カンパニー 馬場さん
「では、思い切って-3db、音楽を落として丹野さんの語りに合わせてみましょう。」
益井さんがいいます。そして試聴。
「う~ん、音楽のパンチが活きていないなあ。これだと楽曲が感情を後押ししてくれなくなる。」
馬場さんがいいます。
「では、1.5db戻して、ベースラインから-1.5db下げたもので聴いてみましょう。」
桑山の提案。あくまで-1db程度の下げでは楽曲がセリフに影響を与えてしまうと考えているからです。
そして、1.5db戻して試聴。
「・・・・」
みんな無言。
「やっぱり、セリフがあって、そこに音楽が追従してセリフを後ろから盛り上げて行くには、もう0.5dbあげた方がいいよ。」
益井さんの意見。しかし人間の耳には0.5dbという数字はほとんど聞き取れないくらいの変化です。そして結局ベースラインから-1.0db下げた楽曲で試聴。
丹野さんの語り、里咲さんの問いかけが活きてきました。
「わかりました。この-1.0dbでいきましょう!」
ということでみんなが合意。めでたしめでたしとなりました。
こうやって、本の小さな音のレベルも逃さずプロと一緒に合わせてきた楽曲とセリフ。最高の作品となったと思います。
是非、皆様の街で映画の上映を!
桑山紀彦
楽曲によってぐっと情感が膨らみます。
期待値大です。
9月1日の試写会(仙台)で感動した映画です。
来年1月11日(土)に午前・午後と上映会を開催します。
会場は仙台市青年文化センター・エッグホールです。
連絡先は070-6617-6284 みやぎ生協・五十嵐(宮城県ユニセフ協会)
被災した人も、被災していない人も『勇気』がもらえます。
ぜひご参加ください!!