山形南高校生ボランティア~STEP閖上ゲリラ側溝捜索活動~

  宮城県名取市では、東日本大震災から2年3ヶ月が経過しても未だに41名の方が行方不明のままです。

自衛隊、海上保安庁、警察などによる大規模捜索も終了し、街全体は更地からの復興が焦点となっており、行方不明者41名の捜索は民間ボランティアや人の手によって行なわれているだけです。

その一つに、復興支援プロジェクト「STEP」による行方不明者41名の捜索活動、その名も「閖上ゲリラ側溝捜索活動」があります。

「みつけたい」…その思いに賛同した有志たちが協力し、まだ捜索の手が入っていない閖上地区全体の広大な範囲にある、全ての側溝を開けて泥砂を掘り出し、人の手だけで丁寧に捜索しています。この活動は、いつでも誰でも捜索活動を行なうことが出来る仕組みなので「ゲリラ」なんです。決して奇襲を仕掛ける訳ではなくゲリラ的な活動なのですが、私の知る限り、本当に毎日のように誰かが継続的に捜索しており、いまも捜索距離が伸び続けています。

 しかし、復興へ向けて土地区画整理事業が開始されれば、閖上の土地は約3mの盛り土によって埋め立てられ、一切の捜索が不可能となるのです…時間がありません。

 そこで今回、隣県の山形県立山形南高等学校の一団が、ふたたび名取市閖上にやって来ました!

山形南高校は、震災直後から生徒たちが自宅泥出し清掃、ガレキ撤去、被災消防車の清掃保存、文化祭での活動展示や募金活動、書道BOYSの書道作品の寄贈…等々、様々なボランティア活動を東北の各被災地で精力的に継続しています。

 生徒会執行部が中心となり組織して生徒有志と教職員あわせて41名。

まっすぐな意志と若い力を結集してきた南校生たち。到着バスから降りてきた一人ひとりの、その眼差しは真摯でした。

 南高校たちの集中的な作業は本当に衝撃があり、重たい側溝もグングン開けて進み、一気に実質200mの側溝捜索を進めました。その中から「想い出の断片」や「お骨」なども見つかり、後日警察へ届けています。

 活動中、閖上の各所で自主的に黙祷やお祈りをする姿、被災した建物や供えている花なども真剣に見つめている姿、

生徒会執行部の主体的な挨拶やテキパキした動き、この土地のこと、人のこと、震災のこと、進まぬ復興などを噛み締めながら活動している姿に、取り組みと意識の高さを見せていただきました。

 一日の活動終了後、山形南高校生たちは「閖上ゲリラ側溝捜索活動」を続けていくことを決定しました。

これからも定期的に閖上地区を訪れて捜索活動を進めます。

こうして現在も被災地では、皆様のチカラを必要としている活動があります。もちろん一般の方でも十分に作業が行なうことが出来ますので、今こそ足を進めてみませんか!是非、想いを寄せて下さいますと助かります。

■復興支援プロジェクト「STEP」:http://54renzock53.wix.com/step

■閖上ゲリラ側溝捜索活動Facebook:http://www.facebook.com/fsp.step

宗貞 研


この山形南高等学校の関わりは、当時高校3年生だった桑山翔也の動きから始まりました。隣の県に住んでいてもなかなか何も関われないとあきらめるのではなく、主体的に関わりたいという強い気持ちを受けて動き出しました。

山形南高等学校の在校生には、そんな先輩がいたことを知っていてほしいと思いました。そしてその桑山翔也もまた、流れ着いたおばあちゃんの溺死体に触れて、すべてが変わったのです。

「死」はあまりに重く、そして威厳があり、人々の生きざまを「生きる」方向に変えていくものです。


桑山紀彦


山形南高校生ボランティア~STEP閖上ゲリラ側溝捜索活動~」への3件のフィードバック

  1. この数日全国で大雨のニュースが気にかかります。
    皆さんの名取はいかがですか?
    それにしても遠い九州からでは
    お手伝いに行ける機会も少ないですが
    いつも想いは一日も早い復旧と
    皆様の安寧をお祈りしていますよ。

  2. 山形南高校の皆さん、有難うございました。
    重たい側溝の蓋を上げ、泥を書きだす作業は力が要ります。
    若い力の何と頼もしいこと!
    取り組みへの真っ直ぐな気持ちに感謝します。

  3. 被災現地に住まうが故の自責と重圧を抱えておられると思いながら、いつもブログを読んでいます。
    何も出来ない遠隔地から、ただただご苦労様と念じています。

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