常盤貴子さん、大林千茱萸(ちぐみ)さん

大分県佐伯市で2008年、釣りバカ日誌が撮影され、その時のヒロイン「波子」役が常盤貴子さん。そしてその方言指導をしたのが野々下留美さんでした。この留美さんは「地球のステージ」実行委員でもありますが、佐伯の子どもミュージカルを率い、物語を書き創作しシナリオを整えて実演する気鋭のエンターテイナーです。そして同時に市役所職員でもあります。

この留美さんのつながりで常盤の貴子さん、そして先に亡くなった映画の大林宣彦監督の娘さんでご自身も映像作家の大林千茱萸(ちぐみ)さんと桑山がつながったというわけです。留美さんがいなければ貴子さんにも千茱萸さんにも出逢うことはなかったでしょう。留美さんとはそういう、「人をつなげていく人」です。

この日は男女共同参画社会実現のためのイベントでトークショーだったわけですが、やはり何といっても常盤貴子さんの存在感です。すごいオーラを放っていらっしゃいましたが、気さくな話にも乗ってくれて、以前彼女が乗っていた旧車は桑山が最も懇意にしている世田谷の「パルク・フェルメ」だったりとか、とてもいい感じで時間が流れました。

そんな貴子さんがいっていた言葉でとても印象的だったのは、

「他人を演ずることで、本当の自分が見えてくる」

という言葉でした。

これはまさに私たちがパレスチナで展開する心理社会的支援の「映画制作」に合致する考え方です。自分らしいトラウマの物語を完成させた後に、あえてグループで映画制作に入ります。すると他者のトラウマの物語に出逢います。そこでその「他者の物語」を自分の中に取り込むことで、より一層「自分の物語」が見えてくるのです。それは貴子さんがいう「演ずること」と同じです。

この「演ずることとトラウマケア」の方向性は千茱萸さんにも興味を持って頂けたようで、このお二人と新しく始まる(かもしれない)パレスチナの事業に是非加わっていただくべく話を進めています。

いずれにしても留美さんという一人の人物がこうして人をつなぎ、新しい展開が拡がっていく。やっぱり人間は目に見えない力の拡がりを内包する存在のようです。今後の展開に請うご期待!

桑山紀彦

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