兵庫県西宮市にある県立西宮香風(こうふう)高校でのステージは全生徒さんを3つに分けて朝、昼、夕方と60分公演3回という最近流行(はやり)(?)のパターンで無事終わりました。
中学校時代不登校であったり、なかなか学校になじめなかったりという課題のある生徒さんが多い高等学校ですが、とても優しく、素直な高校生ばかりでとても愛おしくなりました。
茶髪、ピアスは当たり前。派手な格好の女子もいれば、「オタク系」の男子もいる。デコボコしている全体像であっても、一人一人の個性がちゃんと出ている。そして外部講師の僕たちには優しい。
トイレでであった茶髪とんがり頭の男子生徒は、
「あ、今日よかったっす。演奏決まってました。ギター!鳴ってましたね。早速インスタに「いいね!」したっすよ。」
とっても嬉しくなりました。
フィリピン、ロエナスの場面で作り出す空気の透明感。南スーダン、ベティ17歳のシーンでの静まり。アフガニスタン、チェスの少年ザーフェルのシーンでの静寂感。みんな心にすっと入っていっている感触が舞台にまで伝わってきました。
本当に愛おしい兵庫の高校生たち。
アフガニスタン篇でのメッセージ。
「たった一つでいいから自分の好きなものを見つけ、それを磨いていこう。そしてそれがいつか誰かのために役に立った時、自分が好きになれて、生きていく意味が見えてくる。」
これがちゃんと感じてもらえたと思えたのは、最後3回目の男子生徒の壇上における感想でした。彼は何も手に持たず、まっすぐ僕の目を見て、そう語りました。
香風高校に大きな可能性を感じました。
桑山紀彦