1996年1月15日、地球のステージは山形市内のサンセットスタジオで初演を迎えました。今から25年前の話です。何とその場にいた人が今横にいるとは…。
それが今回佐伯市での映画上映会を企画してくださった上尾(うえお)先生です。
当時まだ山形大学医学部生だった上尾先生。国際協力を志していた同級生の齋藤若奈ちゃんを桑山が誘ったことで、その「連れ」としてやってきたのでした。初回公演を見ていた人は本当に数えるほどです。
その後上尾先生は故郷の大分県佐伯市に帰り、家業の皮膚科を継いだのでした。それから実に25年。ついに「地球のステージ」は佐伯の町で呼んでもらえたのですが、新型コロナ禍で今年はライブ公演ではなく映画「ふしぎな石~閖上の海」の上映会となりました。
久しぶりに見る自分たちで作った映画。今はもう絶対に見ることのできない被災直後の閖上の町がそこに映っており、陽向ちゃん一花ちゃん、里咲ちゃん冬馬君の4主演と、小齋さんや丹野さんがまさに活き活きとそこに登場していました。
驚くのは小齋さんも丹野さんも映画制作から7年が過ぎても、全く言っていることがぶれていないと言うこと。それは二人の語り部としての芯が強い意志jによって形成されており、本物である証しだからだと思いました。
子どもたちに対してはもっと演技指導をすれば良かったと思うところは多々あるけれど、あの撮影の日々の中で大切にしたのは、ともすれば二度と近づきたくない海沿いのエリアが舞台であるが故に、「ただひたすらそこにいること」だったので、それだけでも上出来なのではないかと思います。
改めて見ると何度も涙が出てきました。
終わってから、参加してくれた佐伯子どもミュージカルの子どもたちも感想も秀逸で、本当に感受性高く、意識化していることがわかりました。
これから毎年この佐伯市に通い、毎年1篇ずつ公演していくことがほぼ決まりました。
それに先だってまずはこの佐伯の町を描く「故郷篇」の制作を行うことから始めたいと思います。
大分県との大きなつながりができました。
人の絆の強さに感謝!
桑山紀彦