高校生がたくさん来ているうちの外来。
今日は一人の高校生のつぶやきを紹介します。
く:隣町で8月から中学、高校生へのワクチン接種が始まるけど…。
高:私は打たないです
く:なんで?
高:だって色んな噂が高校生の中で拡がってます
く:例えばどんな?
高:子どもができなくなるとか…。
く:他には?
高:よくない遺伝子が身体の中に入り込んで、将来にわたって身体を悪いものにしていくとか…。
く:そっか…(ある意味絶句)
高:しかも…。
く:しかも?
高:新型コロナはあんまり恐くないし。10代だとあまり症状ないみたいだし…。
く:確かにね
高:ということで、私の周りの高校生も絶対に打たないって言ってます
う~ん。これはワクチン接種を始める前に学校教育の中でワクチンの性能とリスク、そしてその効果と打つ意味などをしっかりと伝えていかないと、非常に大きな混乱が起きるのではないでしょうか。何よりワクチンを打った生徒が無用なことでいじめられたりハブられたりする危険性もあるように思いました。
「え~、オマエ打ったの?大丈夫?まずいんじゃね??」
みたいな受け止められ方が拡がる可能性もあります。
8月1日から中高生への接種を行う隣の自治体にしても、この説明責任やコンセンサスを得ての接種事業なのか、確認が必要かもしれません。
ワクチン接種がこの新型コロナ禍を生き抜く、最も大切な方法だと思っていたのに、十代は揺れています。嫌な時代、嫌な状況になってきました。
桑山紀彦