兵庫県ユニセフ協会の福井康代さんからの紹介で、今日は神戸市の小中高等学校、養護学校の教頭先生方への講演をさせていただきました。
お話だけの講演で1時間ものですが、「人権」という内容でのリクエストでした。
最近思うのは人権とは人や社会に与えられたり守られたりするものではなく、個々の人間の中に託されている可能性だということ。
それを生物学的人権と呼ぶようにしているのですが、人生において起きる全てのことには意味があるという視点から考えるようになったものです。苦しみも悲しみも、トラウマも、それはとても辛く大きな試練だけれど、人間はその出来事に対して向き合えば必ずそこに意味が生じ、かえってそれがそれ以降の人生を歩むための道しるべとなっていく姿を見せてもらってきたからです。そしてそうなるように支えようと「心のケア」を展開してきました。
トラウマや困難は向き合わなければ人生の重荷になるけれど、心を決めて向き合えば必ず何かを得るようにできている。それが人生であり、人間の存在だと思うようになりました。そしてそれこそが「人権」の正体なのではないかと思うに至ったのです。
それは一人一人の人間の中に内在する生きる可能性でありチャンスでもある。それを「生物学的人権」と呼べば、その可能性に向かって導くことこそが人権教育なのではないか、と思うのです。
そんな話しをパレスチナと津波の地を舞台に話させていただきました。
途中何度も涙でつっかえたのは、この地が阪神淡路大震災で大変な目に遭ったところであり、自分も26年前の1月~2月、長田区役所の9階に寝袋で寝泊まりして、この地域の「心のケア」を組織していたからかも知れません。
もう26年も前になるけれど、僕の中ではしっかりとその記憶が刻まれています。
外から来た救援者であれど、あの阿鼻叫喚の破壊された神戸において、それでもみんなで向き合おうとしてきたから「今」があるのだと思います。
来月は同じ内容で校長会で呼ばれています。
また神戸へ!
桑山紀彦