素晴らしき六実中学校

2年前に「地球のステージ」公演が始まった松戸市立六実(むつみ)中学校。小学生だったベトナム人のリンちゃんが殺害されたその学区であり、盟友榎本先生が勤める気鋭の学校でした。

その核となってきた榎本先生が退職されたあとも、こうして公演が講演に変わっても継続されていることはすごいと思うし、現在の担当である大塚先生もまたとても熱心な熱い先生です。

今日は「新コロ君と人類」篇の50分ものを40分に縮めて、最後の10分を質疑応答に充てた50分版で臨みました。そして、それを学年毎に3回繰り返し、その後別室で交流会、それから個別の質問に対応…。朝10時に訪問して全てが終わったのは17時。実に7時間の滞在という長時間講演会でしたが全く疲れることなく、あっという間に時間が過ぎていきました。それはやはりこの学校の生徒さんたちが意識化を目指しており、その質問の中にも内面的なものが多いことからも推して知れる素晴らしさだったからだと思います。

3年生の司会をつとめた放送部の女子生徒が講演終わりの間合いで何気ない口調に乗せて、

「今日は隠れていた問題や課題が、一気に見えた感じがしてすっきりしたし、何より実は見て見ぬ振りをしてきた新型コロナの問題にちゃんと向き合おうという気持ちになれました。」

と語ったことがものすごく新鮮かつ驚きで、この学校のレベルの高さを物語る瞬間となりました。

ずっと旗を振ってきた榎本先生がいなくても、その気持ちを継いで生徒たちに熱く関わり続ける若い先生たちに逢えて本当に幸せでした。

確かに音楽のコンサートとして「地球のステージ」ではなかったけれど、語り、交流するだけでも十分意味のある時間になることがわかりました。担当してきた事務局長の明ちゃんが、

「スライドなんてなくても十分語りだけでいける内容になっているよ。」

といってくれたことは嬉しかったです。新しい講演会の形を整えつつある「地球のステージ」なのでした。

帰りは首都圏のど真ん中を突っ切ることになるために山手トンネルから大橋JCTまでが大渋滞。海老名にたどり着くのに3時間近くかかりました。そして聞こえてくる全国最大感染者数のニュース。でもある程度の感染予防をしたら、あとは一歩踏み出してみんなで一緒に何かやることの方がよほど免疫のチカラが上がり、感染予防になるのではないか、と思えるような充実した1日でもありました。

感染が激増する中でもできることはきっとあるのだと思います。

ついに明後日は福岡県の先生方との「地球のステージ」です。十分な感染対策を行った上で密を避け、2000人のホールに1000人の先生方を迎えて行う今年最後の公演。

どうなるか不安でしたが、福岡の先生方は「やる」と踏み出してくださいました。

これで14年間ずっと12月25日は福岡で歌っています。そのご縁にただただ感謝。

桑山紀彦

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