冬に特有な首都圏の快晴を抜けて、雨の降る富山空港に降り立つと、元々飛騨高山に生まれ山形に長く暮らしてきた自分にとってはとってもしっくりくる「どよ~ん」とした曇天。
「冬はやっぱりこうじゃないとな~」
と思いながら一路向かったのは日本で最も長く続く富山国際大附属高等学校。15年目の青森県は八戸にある八戸聖ウルスラ学院中学高等学校よりも実は1年長く続いている高校ですが、ウルスラの里村校長先生と、この高校の倉田校長先生はとってもよく似ていらっしゃって、もしも出逢われたらものすごく話が合うだろうなあ、といつも思っています。そんな倉田校長先生がおっしゃいました。
「今年1年、“これでいいのか”といつも思ってきました。富山県で最初の高校生の感染がでた時にその高校名がマスコミに一斉に流れ、県内の高校は一気に萎縮してしまいました。
でも子どもたちは”感動”を求めているのです。ある程度の感染対策をしたら、子どもたちの成長を願ってやるべき事をやろうと思ってきました。
先日縮小はしたけれど、スポーツ大会をやったところ、例年にない盛り上がりを見せました。みんな感動に飢えています。だから、なんとしてもこの「地球のステージ」は呼びたかったのです。」
こうして16年目も公演が可能となりました。
しかし感染対策の一環として、3学年を半分に分けて50分公演で2回公演となりました。でも生徒さんは今までに無い真剣な姿勢で最後まで付いてきてくれました。感動でした。
第3波が激しく日本を襲っていますが、経済活動が犠牲にできないことと同様、子どもたちの成長への取り組みも犠牲にはできないと考える倉田校長先生。本当に勇気あるリーダーだと思います。
「来年はフルバージョンでやりましょう!」
と笑顔で見送ってくださいました。こういう学校の姿勢が「選ばれる学校」になっていくのだろうと思います。
砺波で柳瀬恵子さん(おけいちゃん)とお茶して、雨の北陸道をひた走り京都入りしました。明日は2年目の京都市立の高校です。来週は今のところ港区の都立高校もできそうです。そろそろ学校現場も、
「感染への不安はあるけれど、やるべき事はやろう」
という姿勢になってきていることを感じます。
桑山紀彦