今日は江里ちゃんと閖上に行きました。
今日4月17日はお父さんが発見された日です。
僕たちはいつも思う。
「3月11日だけが特別な日ではない。」
と。そう、大切な人が発見された日、そして対面した日こそ最も大切な日になります。だから確かに3月11日はその原因となった津波が来た日ではありますが、たくさんのご遺族が大切な家族と再会できた日こそ大切に思っています。だから、今日は江里ちゃんとその現場に行きました。もちろんお花を持って。
今日の閖上は良く晴れていました。
風も強くなくて、清々しい春の風が吹いていました。
江里ちゃんのお父さんは、隣の家の下で発見されました。だからそこにお花を手向けました。ショベルで土を掘り、花立を埋めてそこにお花を飾りました。僕の親父のためにいつも使っているお線香とロウソクとお数珠を並べました。
江里ちゃんも桑山家と同じ浄土真宗大谷派(東本願寺派)です。数珠は京都のステージのときに東本願寺で求めたものです。
江里ちゃんは泣いていました。でも、それは心の整理のためにとても大切なことだと思いました。
「江里ちゃん、少しずつお父さんの記憶が薄れていってるみたいに感じるかもしれないけど、それは“忘れてきている”ということではないからね。心の中の引き出しにうまく整理できてきているということだからね。」
「うん。」
そして江里ちゃんは教えてくれました。
「行方不明になって、日が過ぎていったよ。4月17日に見つかって、18日警察から連絡が来た。ママとばあちゃんと弟の圭馬だけ確認しに遺体安置所に行ったの。で、やっぱりパパが見つかって…。ばあちゃんと圭馬と確認して来たってママからメールが来たんだ。でも私はその次の日辺りに行ったけど、パパの遺体はほとんど見られなかった。お葬式のときに、少し見ることができたんだ…。」
江里ちゃんはこうして少しずつ言葉にしてくれています。
誰もいなくなってしまった閖上。そこにお花が揺れています。でも、その寂しさは胸を引き裂くほどのつらさです。
だから、たくさんの人の魂が去来するその閖上に、ゆっくりとだけど「人の気配」を持っていかなければならない時期に来ていると、僕は思います。
だから、県道沿いの一等地にプレハブの集会所を置くことになりました。その名は「閖上の記憶」
これこそ2年目の心のケアの中核の一つです。
詳細は後ほど…。
桑山紀彦
にゃんこのお礼状が届きました。
亡くなられたお父さんのこと、家のことなどの想いについて、まだまだ苦悩の方が重たく、デリケートな心情がうかがい知れました。
同時に、心のケアの効果が出始めていることも感じました。
ステップ・バイ・ステップで前進してください。
桑山さんと一緒にお参りに行けたんですね。
江里ちゃんにとって大切な一日、お天気に恵まれて良かったです。
にゃんこ、受け取りました。いつも手書きのメッセージを有難うございます。
えりちゃん 無理せずに 思いっきり 泣いてね!
お父さんは ずっと えりちゃん、お母さん、おばあちゃん、弟さん、そしてお父さんの友だちの 心の中に いるからね!