成長し続ける陽向さん

名取市閖上で津波の直撃を受け、自宅を完全に失って長らく仮設で暮らしていた南部陽向(ひな)さん。

僕たちがやっていた心理社会的ケア「スカイルーム」のメンバーとして2年間、ずっと心のケアを受けてきてくれました。

その後3年目に入った時に、当時小学校6年生だった里咲さんと冬馬君、そして小学校4年生だった陽向さんと一花さんの4人が主人公になって映画「ふしぎな石~閖上の海」を制作しました。

お店を失ってもめげないで寿司屋を続ける若草寿司の大将に語りかける長台詞がなかなか覚えきれず、最後は涙目になりながらも7テイク目でOKがでた時の満面の笑顔を忘れません。陽向さんの中にある強い演劇への熱意を感じたものです。

そんな陽向さんも今は高校2年生。仙台市内の高校に進みミュージカル部のキャプテンをしながらずっと歌い、踊り続けています。劇団四季への夢はますます強くなり、来年は研究生のオーディションを受けようとしている陽向さん。実は今、心のケアをする方向も考え始めています。

「自分がずっと取り組んでいる表現するチカラをもっと高めて、トラウマに向き合う心のケアができる人材になりたい。」

きょうのインタビューでもそう語ってくれました。

素晴らしい成長。津波を受けてトラウマを受けたある少女が、次は自分が心に寄り添うための活動を考え始めています。もちろん劇団四季の舞台俳優との両立で!です。

そんな陽向さん、これからも見守ってつながっていきたいと思います。

桑山紀彦

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