心理感染とどう闘うか

今日は東京10人、神奈川8人。

他県が感染者「ゼロ」を更新していく中でどうも神奈川が遅れている感じが否めません。このままでは東京ではなく、この神奈川が最後に取り残される感染地域になってしまうのではないか・・・。

今日も1日オンライン外来を朝から晩までやり、明日も何人かの「新型コロナ~心理感染」の患者様を受け入れる予定です。それにしてもこの厄介な心理感染。

その対応策として思うのは、「心を強く持て」という戦法はあまり有効ではないと言うことです。もちろんそれができれば一番効率はいいけれど、そもそも「心強くいられる人」は心理感染しないと思うのです。

僕を含め「メンタル弱い」人は、どうしても心理感染しがち、そんな人に「心強く!」なんていったって全然解決にはなりません。そこで大切なことは、

「自分の弱さを知る」

ということだと思うのです。

自分はどんな状況になると心が折れそうになるのか・・・。折れそうになるとどういうことを気にし始めるのか、よく知っておくことでかなりの予防ができるようになります。つまり「強くあれ」ではなく「弱さを知れ」ということが重要。それが心理感染を防ぐ最も大切な方法だと思うのです。

「自分はメンタル強い!」

と思っていると、今回のような巧妙かつ長期でストレスと不安を押しつけてくる相手には、ぽっきりと折れてしまう可能性が高いものです。どんなにメンタルが強い人でもこの新型コロナの心理感染は巧妙に、そして執拗に襲ってきます。ぜひ自分の弱さを知ることで、相手に突き入る隙を与えず予防につなげていきましょう。
実はここには大切な視点があります。それはこの心理感染には「打ち勝つ」「打ち負かす」という視点ではなく、新型コロナウイルスやそれによる心理感染と「共存する」という視点が大切だと言うことです。ウイルスは撲滅しようとか、打ち負かそうとすると逆に力を強め特異に変化する傾向があります。この新型コロナ禍との闘いは、この厄介な存在と「どう付き合っていくか」が鍵だと思うのです。それはすなわち「心を強くして心理感染を防げ」ではなく「自分の心の弱さを知って、この心理感染とどう付き合っていくかを考えよう」の方が大切であり、より有効だと言うことです。

世界で起きる物事の決着は勝ち負けではなく、悔しいけれど相手の存在を認め、それとどう共存するかにかかっているように思います。それは「心のあり方」もまた同じ。心理感染という存在を認め、それとどう付き合っていくかを考えたときに、実はこの問題の解決につながっていく可能性があると思うのです。ぜひ、「自分を知る」と言うことを通してこの厄介な心理感染を最小限に食い止めていく方向をみんなで考えていきましょう。

 

桑山紀彦

コメントを残す

あなたのメールアドレスは公開されません。必須項目には印がついています *