火の鳥、再び

外来に来てくれている20歳の大学3年生の青年が、

「卒論をAIと人間の共存というテーマにしようと思っているんです。」

というのでなぜそのテーマにしたのかと問うと、

「手塚治虫の“火の鳥“にヒントを得たんです。」

といいます。手塚治虫の「火の鳥」。遠い昔、朝日ソノラマが発行した大判の「火の鳥」がにわかによみがえり、次男の亜久里君に山形の実家の図書庫にないか尋ねたけれど、「ないみたい」とのことでさっそくヤフオクに。すると9巻セットで2500円。思わずぽっちしたらあっという間に今日届きました。

安いが故ですが、いい感じに日焼けしてきつね色になった紙面はまさに「あの日の想い出」にぴったりで、あっという間に1冊、また1冊と読み進んでいきます。

そして触れる手塚治虫の世界。発行年月日からすると実に44年前の作品ですが、その内容、コンセプトはまさに「命」「人間」「世界」「宇宙」と多岐にわたるのに「火の鳥」という存在で1本の「核」がブレない内容。改めて、手塚治虫の偉大さに触れる時間でした。

長期の自粛の中で自分の「ルーツ」に触れるようなものを求める傾向にあるのは感じていましたが、それが20歳の大学生によって図らずももたらされたことにも感謝しています。

桑山紀彦

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