ダンのお葬式

先週、ダン先生のお葬式がとり行われました。

多くの人が集まり、ダンの人柄を知るものになりました。

この20年間で毎日月曜日から土曜日まで少なく見積もって300人を見ていたとしたら、1週間で1800人。1ヶ月で7200人。年間で86400人。20年で173万人。これほどの患者さんを診てきた人を僕は知りません。

東ティモールの全人口を100万人とするなら、その2倍近い人を診てきたダン。この医師の名前を知らない東ティモール人はおそらくいないだろうと思います。

2007年に国家表彰を受けたけれど、そういったものには一切興味なく、ひたすら目の前に来る患者さんに一生懸命でした。

ダンは東ティモールの土に眠りました。

アメリカに生まれ、ベトナム戦争に行って人殺しをすることを断固拒否して投獄され、そこで囚人ボランティアとしての活動に目覚め、アフリカのモザンビークに渡り9年。そこでポルトガル語が堪能となり、昔同じポルトガルの植民地だった東ティモールに来たのが1999年。最期までの21年間はテトゥン語を普通に話し、どんなときでも高いエネルギーを保ち続けたダンでした。

75歳。まだまだ早すぎる年齢をしてもなお、生きるエネルギーは最期まで絶えることはなかったと思います。

なんとか9月頃には東ティモールに入り、しっかりとお墓参りをしたいと思っています。

桑山紀彦

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