全国に緊急事態が発せられた初めての週末。昨日の豪雨とは打って変わっての快晴。湿度も低く気温は約20度。でもここで気を抜いて密集地帯を作ってはなりません。そこで歩いて10分ほどの神奈川県立三川(さんせん)公園に初めて行きました。散歩です。
こんなに心地のいい春の日はないというくらいの風が流れ、新型コロナも吹き飛ぶような気持ちになりますが、それはあくまで幻想。おそらく例年と比べると30%くらいの人出が集まっていましたが、皆さん微妙に間隔を開けて過ごしているのが印象的でした。
そのまま、海老名駅に食料品の買い物に出かけてみると巨大なららぽーとは閉まり、東口のボナウォークもマルイもやっていません。ひっそりとしたものです。
「あれ?この雰囲気、どこかに似ている・・・。」
そう思って気付いたのが留学していたノルウェーの週末でした。
ノルウェーは毎週土曜日の2時には全ての店が閉まり、そのまま日曜日の終わりまで普通お店は開いてません。敬虔なプロテスタントの国で週末はみんなで教会に行き、家族と過ごすのが当たり前。だから市営バスも激減するし、中心商店街は小さなカフェが開いているだけでデパートもモールも全てお休みです。
ではみんなどこに行くかというと・・・、「山の中」です。
そう、家族連れや友達、彼氏彼女と連れだって山の中に入って歩き、ランチを拡げ夕方には戻ってきます。決して週末に街に行ったり、ましてやショッピングモールには行かない人たちでした。だから週末にオスロの街に出ると閑散としていて、今日の海老名のようでした。
これがノルウェーという国なのだと、日本人の僕はずいぶんびっくりしたものです。
大量消費をしないで質実剛健。いいものは何年でも使い尽くし、不必要なものは買わない。
世の中的には「古い」「ダサい」と言われる民族かもしれないけれど、「自分がいいと思うならそれでいい」。それがノルウェー人。
山の中には小洒落たカフェやレストランがあり、それは真冬の厳冬期でも開いています。厳しい冬だって週末は街の中のお店が開いていないのでみんな山に入っていって、ノルディック・スキーを楽しみ、カフェで家族とお茶・・・。だからノルウェーはクロスカントリー・スキーが強いのです。
今、新型コロナの影響で多くの店が閉まり我慢と耐乏の生活です。でもこれはこれまで当たり前と思ってきた無駄な大量消費に歯止めをかける機会になるのかも知れません。もちろんお店を開けることで食べている人もいるのですから、安易に肯定はできないけれど、こんなふうにお店の閉まって人通りがない駅前に来てみると、あのノルウェーの週末に出会ったことに驚きました
やればできるのかも知れません。
桑山紀彦