今を生き抜く

ここ首都圏に住んでいると、得体の知れない不安が襲ってきます。

クリニックのファックスには毎日おびただしい感染した人たちの詳細が送られてきます。やがて自分たちも感染する日も近いのではないか、と思えるほどの身近なその情報に触れると、ついつい身構えてしまいます。

9年前、引っ越した先の宮城県名取市で津波に遭い、みんなで大変な思いをしながらも被災地で踏ん張ってきました。でもその先で引っ越した神奈川県が高度の感染地域になってきています。試練は9年おきにやってくるのでしょうか。

でも幸いなのは、そのもたらされる情報のほとんどが「軽症」ないしは「無症状」ということ。これは一体どうしたことか。そろそろ本格的に語られるであろう「BCG接種が症状の悪化を食い止めているのではないか」という仮説。諸外国と同様、感染のスピードは速いウイルスですが、日本人に対してはずいぶんマイルドな印象。1951年に始まったBCG接種ですが、現在では膀胱癌の治療に用いられたりと、不思議な力を持っています。同級生のウイルス学教授が言いました。

「こんな(簡単な)ことで感染が拡がるのか・・・。」

「でも、拡がるウイルスは弱いからね・・・。」

今後のエビデンス(実態と検証)に期待したいと思っています。

時間があるので、今「地球のステージ2 Blu-ray & DVD」の制作を急ピッチで行っています。全て写真もビデオもオリジナルから起こして歌い直し、バイオリンもギターも弾き直して編集中。今ミャンマー篇の「月光の龍」の制作が終わりました。

その映像見ると泣けて泣けて仕方ありませんでした。

だって、世界はこんなにも広く、人々は笑顔でつながり合っていたのです。

仕方ないことだとは思うけれど、今ではみんなマスクをし、誰かから誰かにうつるのではないかと怯えて集うのをやめ、2メートルの距離を取ることをすすめられている。見えない存在におびえて暮らしニュースに一喜一憂している。でも本当は世界はとても広く、人々はどこまでも自由でつながり合えていたのに、それを止めて家にこもっている・・・。

しかし国際協力は死んでいないと思いました。世界各地からお互いの安全と健康を確認し合う連絡が集まっています。フィリピンのジーナ、東ティモールのダン先生やアイダ、インドネシアのデンディ、パレスチナのアーベッドやナーセルさん、クロアチアのアリッサ・・・。

昔は支援し、支援される側だったかも知れないけれど、今はみんな同じ。このウイルスとどう付き合っていくかを共に考えています。それは全く同じ苦しみをこうむっているもの同士ということです。驚くほどの「平等」を感じました。

いつかこのトンネルも出口が見えてくると思います。その時こそ国際協力は本当の意味で「地球単位でものを考える」ために、必要性がもっと高まっていくと思うのです。

そしてこのコロナ禍が落ち着いた時こそ、世界が広いことや、人が集い抱き合うことがどれほど大事かみんなで確認し合うために「地球のステージ」が必要とされていくのではないか、と密かに思いを強くしています。

桑山紀彦

今を生き抜く」への2件のフィードバック

  1. 桑山先生、お久しぶりです。去年の三原でのステージがかなり遠い昔のように感じます。
    世界を見てきた先生ならではの視点ですね。
    ウイルスは平等で、地球単位で考えなければいけない。
    私はまだまだ小さい世界(視野)で過去に縛られ未来を憂いていますが、今を生き抜くその先に明るい未来が待っていると信じたいです。

  2. 本当に毎回緊張して訪問しています。運び屋にならないように、高齢者と話しする時もつい大きい声で笑いあうのもオットトですね。上教大から戻り横浜市内の小学校に臨時採用の息子は😷になかなか慣れないようで通勤電車で拾ってくるなよ❗️と祈る毎日です。皆様手洗いと充分な睡眠を❣️

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