ジャラゾン難民キャンプ

昨日の難民になりかけたドキュメントは、皆様からの暖かい励ましに支えられて、いよいよ明日ベングリオン空港を出国できるかにかかっています。明日の17時05分(日本時間24時05分)の便に乗れればなんとか先には進めますので、おそらく日本時間の23時過ぎには出られることになったかどうかをお知らせできるかと思います。

 

さて、その一方で国境から戻って駆けつけた月曜日にはヨルダン川西岸、ジャラゾン難民キャンプの総合発表会でした。子どもたちの1年の総まとめがここにあります。

日曜日はカランディア難民キャンプで既に報告しましたが、この月曜日はジャラゾーン難民キャンプの発表会でした。ジャラゾンは規模は小さいけれど見事にこの1年がいかに実り大きかったか伝わってきました。会場には描画とクレイ(粘土)の展示。そしてオリジナルの歌詞で綴った音楽ワークショップの発表とジオラマの発表でした。

女の子たちのグループ、特にディアラが主導して作った歌詞はこんな内容でした。

兄の言葉

兄はいつも私に言う

どんなことが起きても

時は必ず過ぎて行くと

喜びと悲しみの気持ちで

人はつながり合えると

私たちの周りにはいつも多くの課題がある

祖母は亡くなり、私はたくさん泣いた

祖父の死ではもっと泣いた

いつも哀しみはそこにあった

しかし、私たちの前には夢がある

人生は自分の意志で変えうると信じたい

弁護士になりたい友がいる

医師やエンジニアを目指す友がいる

より良い未来は自分の前にあるはず

もっと私は大学で学びたい

私たちは祖国を奪われたに等しい

けれど私たちはパレスチナ旗を

振り続けることを決してやめない

これが14歳~15歳の子どもたちが作った歌詞です。

ディアラは学年でもいつも成績トップですが、それ故に強引なところがありました。けれど、この心理社会的ケアに振れ、グループでの活動を深めていく中で彼女はついに本当の自分の立ち位置を見つけていったようです。

ディアラが主導する形で生まれていった歌詞かも知れないけれど、みんなの意見もよくその中に入って素晴らしい曲となりました。

こうして子どもたちのトラウマに向き合う1年が過ぎていきました。

桑山紀彦

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