モーゼスは大工、18歳。そして南スーダンから逃れてきた難民です。
ビディビディの難民居住区の活動はベースとなる街、ユンベに拠点を置いて活動しています。その街に新しいコテージ型のホテル「Escape Village」ができて今回はそこに泊まっていました。日曜日の午前中、スタッフもみんな教会のミサに行くので少々時間があり、ホテルの周りを歩いていたらであったのが家具製作工場だったのです。
僕は親父が家具職人だったので思わず入っていくとみんな気さくに出迎えてくれました。
「実は父親が家具職人で・・・」
というとみんな大変親近感を持ってくれます。
びっくりするのはカンナのかけ方が日本とは逆。日本は「引き」ますが、こちらは「押す」時に削るのです。そしてノコギリもよくみるとこちらは「押す」時に力を入れています。日本では「引く」時ですね。文化の違いって面白い!
かのイエスもマルコによる福音書によれば30歳までの生業は大工であったので、敬虔なクリスチャンである彼らにとっても誇らしい仕事なのかもしれません。
モーゼスは難民でしたが、今こうしてウガンダに逃れ仕事を得て完全に定住への道を歩んでいます。こうやって多くの難民の皆さんが安定と定住への道を歩んでいることは、すばらしいことだと思いました。
でもモーゼスのように若い人は「ウガンダに暮らしたい」でいいと思うけれど、30代後半以上の人々にとっては「南スーダンにできれば帰りたい」という思いが強いのも事実です。
南スーダンが平和になれば、多くの人が帰還への道を選ぶに違いないでしょうけれど、そこにはきっと若い世代の人たちとのギャップが生じてしまう可能性を感じました。
桑山紀彦