今日は大川小学校の訴訟原告団の皆さんの会合に参加させていただきました。
昨年11月裁判が終わり、原告団の皆さんの勝訴で幕を閉じました。その後8年も経った今ようやく石巻市長が謝罪をし、津波後「初めて」市長が大川小学校を訪れたのは、記憶に新しい出来事だったと思います。
でも、神奈川県の犯罪被害者支援の嘱託医をしている自分は、過去にも裁判が終わることで気持ちが大きく不安定になられる被害者の皆さんを見てきているので、大川小学校の原告団の皆さんについて、とても気がかりでした。
たった一人生き残った大川小学校の先生に証言してもらうことは、その先生の心のケアのためのも必要と言うことでいくつかの意見書を書いてきたこともあり、原告団の弁護団長の弁護士先生と連絡を取り、今日お話をさせていただくことになりました。
記憶を取り戻し、それに感情をくっつけていくこと。そして物語化を進め、やがてそれを社会に還元していくことの大切さ・・・。でも原告団の皆さんは既にそれを感性で実践されようとしていました。
これから全国から来るであろう講演依頼への対応、その際の資料作り、生き残った先生へのアプローチ・・・。出てくる質問や話し合いの内容は、心理社会的ケアが目指す方向性とぴったりでした。自然と原告団の皆さんは語り、社会へ還元する方向を目指そうとされています。
その意味において勝訴した今こそ、「始まりの時」を迎えていらっしゃると思います。原告団はその組織体を変化させ、より柔軟により社会的に歩む道を選択されようとしています。
「心」という面から、これからも関わらせて頂くと言うことで、皆さんと気持ちを合わせることができたように思います。
決して終わらない「あの日」。
それはおそらくご遺族のお父さんお母さん、すべての命のつきるその日まで続くことなのだと思います。でも裁判が終わった今、新しい始まりの時がきています。
そんな時に立ち合わせて頂けて、とても光栄でした。
次は3月11日にが終わった3月下旬に、また皆さんとお目にかからせて頂ければと思っています。
桑山紀彦