ミャッセ・ミャーの子どもたち

「ミャッセ・ミャーの子どもたち」

朝10時。村の小学校にはもう既にたくさんの子どもたちが整列して僕たちの到着を待ってくれていました。

そして僕たちが着くとすぐに上級生の子どもたちが駆け寄り、僕たちの荷物を持ってくれます。年上の人間を敬う、そんな行動が自然にできるすばらしい子どもたち。いつ訪れてもミャッセミャーの子どもたちは変わらず、優しく健気で賢いです。

今日はみんなから里親の皆さんに向けて、メッセージをもらいました。一生懸命明ちゃんの用意したメッセージカードに書く子どもたち。今日のテーマは「最近感動したこと」で書いてもらいました。8年生(中学校2年生に相当)の子どもたちはその多くが、最近お母さんに自転車を買ってもらったとか、ほしかったカバンが夕方机に置かれていたとか、とても身近で分かりやすい「感動」を書いていましたが、10年生(高1)11年生(高2)になるとちゃんと里親さんへの感謝の気持ちと共に、こうして遠い海の向こうの人が支えてくれていることを「感動」と捉え、その気持ちをカードに長々と書き込んでいました。子どもたちは確実に成長していきます。

それでも、最終学年の11年生は、その半数以上が通常通う高校よりもより遠いアウン・バンの町の寄宿学校に籍を置いて大学を目指していました。昨年11年生は7人いて3人しか高校卒業試験に通りませんでした。とても厳しい試験です。これはすなわち大学入試試験に相当しているので、これに通らないと大学にも進めません。

しかし隣、タオユ族のミャッセ・タオ村はほとんど大学に行く子どもたちはおらず、早々に高校も辞めて働き始める子どもが大半なのに、このミャッセ・ミャー村の子どもたちは必死に大学を目指しています。それはひとえに子どもたちを導いてきたイェイェさんの存在が大きく関係していると思います。信じられない進学率を誇るミャッセ・ミャー。その理由はもう一つ、この奨学金事業が始まって4年近くになりますが、その効果が確実に現れているとイェイェさんが言います。

明日は、そんなアウン・バンで勉強している11年生の子どもたちも3連休なので村に帰ってきてくれて、ほぼすべての子どもたちと会うことができそうです。

「教育は村と人生の基本」

そんな言葉が、この村に来ると心に浮かんできます。

桑山紀彦

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