中村哲先生、合掌

中村先生とは、アフガニスタンの首都カブールでお目にかかりました。

あれは、ビザの延長のためにアフガニスタン政府の外務省に出向いた時、その待合室に入る廊下で座り込んでいる人がいました。最初はアフガニスタン人だと思っていたけれど、よくみると東洋人の顔をしていました、そこで思い切って話しかけてみると中村先生でした。

自分も医師であること。アフガニスタンのために何ができるかの調査先遣隊としてここへ来たことなどを話すと、

「僕はペシャワールだからな~。アフガニスタンのことは実際よく分からないところがあるから、よろしく頼むね。」

と優しく言われました。

その後パキスタン北部で大震災が起きた時、時間があったのでペシャワールの中村先生が関わっている病院に遊びに行きました。そこには多くのアフガニスタン人医師が働いていましたが、みんな「難民」でした。アフガニスタンを逃れ、パキスタンのペシャワールで難民の医師として働く多くのアフガニスタン人に中村先生は「希望」という名前のチャンスを作り出していました。

いつまで国際協力に携わるのか。それは75歳になる東ティモールのダン先生も、そして中村先生も同じだったと思います。でもおそらく「死ぬまで関わる。だって僕にはこれしかできないから」という中村先生の言葉そのものだと思います。

中村先生が示した「見て見ぬ振りしない」という役割を、みんなが果たして行けたら世界は変わると思います。

合掌

桑山紀彦

中村哲先生、合掌」への1件のフィードバック

  1. 一度きりの講演会でしたが心が傷みます。
    先生の意志が受け継がれる事をせつに祈ります。

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