教員ワークショップ

今日は学校の先生たちとのセミナー及びワークショップでした。

心理社会的ケアは学校現場でもとても役に立つし、難民である子どもたちが抱えるトラウマに日ごろから直面する学校の先生たちは、それに対してどう対応するといいのか、常に迷っています。だからこういった教員ワークショップをいつも行います。

最初に心理社会的ケアワークショップの概念と実践を講義したあとは、粘土細工ワークショップです。今日のテーマはもちろん「忘れられないあの日」です。

今日参加した先生たちの中には、2名の南スーダン人の先生がいらっしゃいました。しかし戦争の被害はこのウガンダにおいても過去には多発し、多くの先生方が内戦や地域紛争を経験しています。だから「忘れられないあの日」は必然、そういった戦争に関係するものになっていきます。ウガンダ人のアビリガ・ビタス先生が語りました。

「私にとっての忘れられない日は、始めて銃声を聞いた日のことだった。

あの日は良く晴れて私は庭にある大きなマンゴーの木の下に寝ていた。となりにはラジオがあって、ずっと鳴っていた。すると突然ものすごい弾けるような銃声がした。私は身構えた。だって家には姉と私の二人。ゲリラが来たら確実に殺されると思ったからだ。

ラジオからは不穏なニュースが流れていたが、それを消せば私がここにいることがバレてしまう。だから私はラジオをそのままにして息を潜めていた。

多勢の男たちが歩き回る音がした。私は死を覚悟した。遠くにいるお父さん母さんのことを思った。でも誰も助けてくれない。その後どうなったのかは覚えていない。ただひたすらマンゴーの木と、鳴り続けるラジオ、身を潜めて汗ばむ自分のことを覚えている。

私はその時6歳だった。」

続いてはりがねの人生ワークショップ。今日も多くの人生が語られましたが、それはすなわち「自分の主人公性を取り戻す」という作業。先生たちは胸を張って登り下がりの激しい自分の人生を語って下さいました。

最後にアンダマスワリ先生(31歳)が今日の長い教員ワークショップの感想を語って下さいました。

「今日のワークショップはとても役にたったと同時に、心地よかった。自分の人生や辛かった日のことをしゃべるということがこんなに気分が良くなるということが分かった。

でも私の周りにはまだまだ何もしゃべれていない人がたくさんいる。だから、今日学んだことをみんなに伝えて、「人生を語れ」ということを伝えて行きたい。

それが学べて本当に良かった。」

ウガンダ人、南スーダン人の学校の先生たちはこうして自分に向き合おうとして下さいました。

桑山紀彦

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