市立松戸高校という選択肢

 昨日は千葉県松戸市、市役所が主催して下さる平和に関するイベントの一つとして「地球のステージ」が呼ばれました。

 今年で4年目、4番のステージに震災篇を加えた特別版で公演しました。
 いつも驚くのは松戸市立松戸高校の取り組みです。
 これには榎本先生という国際協力に理解と経験の深い先生が関わって下さっているために毎年多くの高校生がこのイベントに参加しています。そして4年目になると言うことは既に卒業生を多く出しており、その卒業生がまたこの「地球のステージ」の毎年公演に来て手伝ってくれるのです。もちろん主催は松戸市役所です。でも、高校生に主役になってもらい、ステージの前には必ず「活動報告」をしてからという流れが出来ています。
 その発表の中に福島県から避難して来て、今は松戸高校の生徒として松戸に暮らしている清水さんの「手紙」の発表がありました。僕には、僕に向けた「手紙」に思えたのです。
 彼女は原発に関連して避難して来ていました。自分はどうして今松戸にいるのか、どうして故郷を離れなければならなかったのか、これからどうなっていくのか、そんな不安な日々が重なっていた時、6月21日、麗澤大学でのステージがありました。榎本先生は彼女のストレスや悩みの深さを心配して、その時ステージに連れてきて下さいました。
 そこで彼女が見たものは名取の現実でした。
 すさまじい津波、そして瓦礫と化した閖上、彼女は同じ被災者としてその映像や語りに触れて思ったそうです。
「被災したのは私だけじゃない、ここは踏ん張ろう。」
 と。それ以来少しずつ元気を取り戻して、今ある現実を少しずつ受け入れ、
「この松戸にいる時間を大切にして、そこで何が出来るかやってみよう。福島にいた時の私のように・・・。」
 と思ってくれました。
 「ステージを見せるかどうか迷ったけど、結果的に良かったと思う。」
 榎本先生もおっしゃいました。
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 肩組んでいるのが榎本先生
 今僕たちは津波の被害からの復興の道のりをゆっくりと歩んでいますが、福島は別の現実が現在進行形です。避難している人たちの不安、絶望、心の傷・・・。それにどう向かっていくか、僕たちが試されていると思いました。隣人福島。本当に心優しくまっすぐな福島県人のことを考えると、津波の被害のことだけが今回のテーマではないのだ、と思えてきます。
 
 ステージが終わっていつものように高校生と座談会を持ちました。
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 これが大切なんです。もちろん卒業生の皆さんも参加して、4年分の人の集まりがすばらしいです。4番は桑山の高校時代の暗中模索の話が出てくるので、ことのほか、そういった「自我」や「人生」に関する質問が多かったことが印象的でした。
 来年の予約も頂き、これからも踏ん張って行きたいと思います。
 江里ちゃんの猫への注文は現状で11個来ています。江里ちゃんに話すと、嬉しそうでした。もちろん無理しないようにね、とは伝えてありますが、僕は江里ちゃんは素直に喜んでくれていると思います。ぜひ皆さん遠慮しないで注文下さいね。
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 江里ちゃんのアクリルたわし
桑山紀彦

市立松戸高校という選択肢」への6件のフィードバック

  1. 松戸高校の取り組み素晴らしいですね。「地球のステージ」と青春時代に出会えた人はきっと、見て見ぬふりをしない優しく強い心を持って社会に出てからも活躍していくのでしょう。福島県の被爆と各地の津波の被害、これらをいかにして日本人は乗り超えていくのか、日本人一人一人が試されていると思います。少しでも前に良き方に進んでいくことを願わずにはいられません。自分自身も「ハチドリの一滴」のようにできることを一つずつ真剣に対峙していきたいと思っています。江里ちゃんの猫ちゃん、自分も二つ注文させてもらいたいです。

  2. 市が主催なのに高校生が中心の取組み。こんな取り組みがあちこちで見られる様になると良いですね。
    明日は、高山祭の報告があるかな。

  3. “地球のステージ”のひとつ、ひとつのステージに様々なエピソードがあり、
    ブログを読ませていただくことで、“地球のステージ”を直接観る機会があまりない者も、
    色々なことを考えさせてもらいます。
    若者たちの自主企画があちらこちらで開催されるようになる日も近いかもしれません。
    それにしても桑山さんの体力・気力には本当に驚かされています。きっと、日々ステージで皆さんにパワーをあげつつ、
    皆さんからもエネルギーをもらっているからなのでしょうね。
    “江里ちゃんのねこ”良いペースの注文数でしょうか?
    私も注文いたしましたが、友人にもあげたいと思いつつ、
    一度に大量の注文が殺到しても、大変かな~、と遠慮して
    しまいました。
    私のように考え過ぎる人が他にもいらっしゃるかも知れません。
    時々に、状況をお知らせくだされば、
    良いペースの追加注文が入るかも知れませんよ。

  4. 今、電車の中で このブログ読み 涙して 隣の人には 不振がられています。
    昨日も 手遊び講習会でしたが、講師の先生が 戦争の時疎開されたていたのが福島。
    そこで小・中学校をすごされ そこで聞いたたくさんのお話(語り)が 今の彼女のベースになっているようで、ちょっとだけ 聞いてと お友だちの 保育園のお話。
    胸がつまって・・・今日また このブログの生徒さんのお手紙。
    皆さん大変でしょうが 踏ん張ってください。
    私も いつになってもいいから えりちゃんの ねこちゃん 2個 よろしくお願いします。

  5. 地球のステージを見て、自分もがんばろうという気持ちを持てたのですね。
    桑山さんの心からの語りは本当に見る人の心に響くんだなと改めて思いました。
    福島の原発事故がどのくらいで収束するのか?除染はどこまで出来るのか?
    世界の英知を集めて全力で解決に向かってほしいと願っています。

  6. 三連休というのに、千葉県松戸市とは御苦労さまです。
     いい高校生たちでよかったです。公演しても聞き手の反応がよくないと疲れだけが残ってしまうものです。イベントの成功は公演の良さと、参加した聴衆の良さが合わさってはじめていい公演となると思います。どんないい公演をしても聞き手がそれに応えるだけの力量があるかが問われると思います。聞き手にとっては、こころに残る公演なのかどうかとういう一点だけでなんの準備もなく公演に参加するものですが、実はその公演の本当の成果は参加する聴衆私たちに掛かっているということがあるのです。
     市立松戸高校はそういう点で良かったということだと思うのですが。
        和歌山  なかお

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