謎の自販機食堂

鬱々と降る雨。

クリニックの患者様たちはどんよりとしたこの長梅雨に気調や体調を崩していらっしゃいます。

昨年の酷暑と比べれば気温的には楽ですが、この湿度の高さもまた厳しいものがあります。そんな時はあえて出かけるのが一番。今日は山形にちょっと戻りましたが、その道すがら群馬県伊勢崎市の気になる謎の店「自販機食堂」に行ってみました。

愛読する雑誌の一つ「ノスタルジック・ヒーロー」という旧車(中古車ではなくプレミアのつく旧いクルマ)を扱う雑誌に大きく掲載されたこの店は、その店内が全てレトロな自販機で構成されているという謎の店です。昔は地方の国道沿いにあった自販機屋さんに燦然と鎮座していた食品自販機。どうやってつくられるのだろうというくらいふしぎなうどんやラーメン自販機。それは決して日清カップヌードルにお湯を注ぐなという中途半端な自販機ではなく、うどんやラーメンそのものがなんとお椀に入って出てくるという驚異の自販機なのです。

しかしこれはあくまでレトロなもので1990年代に全盛を迎え、その後に廃れてしまっているので、この「自販機食堂」はレトロを愛する旧車趣味の皆さんに愛されているのです。

初めて入った「自販機食堂」はまさに昭和の香りが満載。全ての自販機が「どうやって作られているの?」「中に実は人が入っている?」「食品安全上どうなの?」といういぶかしげなものばかり。しかし、カウントダウン秒数がデジタル表示ではなく「ニキシー管」と呼ばれる昭和の電光表示チューブであったりするところが「旧車ファン」の心のくすぐるのです。

出てきた「グーテンバーガー」、そして「トーストサンド」。食品安全性など端から無視のようなこの食べ物がまた美味しいから困ってしまいます。見渡せば降りしきる雨の中、若い家族連れが一杯。なんとも不思議なこの世のタイムトラベルスポットのようなこの「自販機食堂」は、一度訪れてみていただきたい名所でした。

他にも群馬県には「コルソ高崎」「オレンジ353」という自販機食堂の穴場も多く、なぜに群馬県はこんなにレトロなのか、嬉しくなってしまいます。思えば我が旧車第一号昭和49年式カローラも群馬県前橋市の「オートサークル」で見つけたものです。既に旧車も第三号まで抱え、ますます「旧き良きもの」に凝っていく自分。それはおそらく歳をとったということなのだとは思いますが、一方で「いいものは残る」という言葉を大切にしようという気持ちの表れなのだと思います。「ナンバー1」を目指すような速いクルマに興味はなく「オンリーワン」であることを大切にしていく、そんな旧車仲間とのつながりが拡がっている今日この頃です。

桑山紀彦

謎の自販機食堂」への1件のフィードバック

  1. ひょっとしてNHKの72時間という番組で取り上げた所でしょうか⁉︎
    7/14pm9:00のBS朝日で「昭和のクルマといつまでもという番組を見ました!同じ車と50年一緒という方や親子三代名車というような方々とにかく古い車を持っている人たちを探してインタビューしていました。子供の頃父や叔父達が整備しつつ乗っていたのをおもいだしました。その内カローラも登場したりして⁉️

コメントを残す

あなたのメールアドレスは公開されません。必須項目には印がついています *