今日は毎週月曜日、「地球のステージ」の事務局の横にある「50畳ホール」で、いつもの心理社会的ワークショップが開かれました。
もう顔なじみになった下増田の子どもたち。
小学校低学年なのに元気いっぱいかつ利発な子どもたちですから、時々騒ぎすぎて下のクリニックから、
「うるさいぞ~点滴中だ~」
といったおしかりを受けることもあります。
でも、みんな被災した子どもたちばかり。家を失い、家族を失った子どもたちだけど、こうして毎週1回このホールに集まっていろんな活動をしてきました。子どもたちは実に多感で素直です。
こちらももうすっかり慣れて、いろんな事が話せるようになりました。やはり「そこに常にいる人」がこういったケアを担い、いつでもそばにいる人が心に寄り添うべきだと思ってきましたので、その意味では被災地にあって僕たちは今こそこの心理社会的ワークショップをもっともっと活発にしていきたいと思います。
今日は来週から始まる粘土細工の前段階として、
「大切なもの」「大切じゃないもの」「失ったもの」という3つのカテゴリーをベン図のように交わらせて、それぞれのエリアに自分たちが思うものを書き込んでいくというワークショップです。
小学校2年生のゆあさんは、最初に、
「そうだな~、大切なものは家!」
といいました。でも
「ふ~ん、家は大切なものだよね~」
と返すと、ゆあさんはすかさず、
「違った違った、家は大切じゃない、私の流された家はもう古かったから大切じゃないんだ。」
と紙の上に書いた「家」の文字を消してしまいました。
「う~ん、難しいね。じゃあゆあさん、大切なじゃいものって何かある?」
「う~ん、むつかしいなあ~」
といいながらもゆあさんが書いたものは、
「毛虫、津波、火事、事故」
でした。「大切じゃないもの」は「嫌いなもの」として特定されました。そしてゆあさんは一言、
「あ~、津波のことノートいっぱいに書きたいな~!」
びっくりしました。今までゆあさんはそんなことをいったことがありません。でもはっきりと大きな声でそう言いました。
本音が出てきました。ゆあさんは本当はいっぱいいっぱい語りたかったのです。
毛虫も嫌だけど、津波ももっと嫌。そして失われた家は本当は「大切」だけど、もう戻っては来ないから「大切じゃないんだ」と言って、心の中に再配置しようとする意志。
子どもたちなりに、一生懸命考えてくれています。
そんな下増田の子どもたちとの活動が先日河北新報の夕刊に5回連続で掲載されました。記者の足立さんは丁寧に親御さんにも掲載の許可を取ってくれていました。僕たちにとっては大切な記録になりました。
来週、いよいよ粘土細工が始まります。テーマは、今日取り組んだワークショップの流れで「大切だけど失われたもの」
「やった~!粘土つくる~!」
今日の終わりにみんなが言いました。そしてその中の二人の子どもが、
「私は家を作るんだ~」
そう表現していました。失われた家に対する気持ち。そして自分が住みたい理想の家への想いがきっと表現されるでしょう。
来週が楽しみです。
桑山紀彦
追記
この活動は「東北国際クリニック」の診療とは一切関係ありません。従って医療上の守秘義務が生じるものではありません。河北新報社の取材の際も親御さんとご本人の許可を頂いて掲載させて頂いております。
既に患者さんとの話の内容をブログに書く場合は、患者さんの確実な同意を取り、それでも個人が特定できないようにするといういくつかのガイドラインを設け、実施しています。それでも県医師会にわざわざ山形市内の開業医(と思われる人物)が誹謗中傷のメールを送るなどの過剰反応を起こしている状況もあり、非常に悲しいことです。
今後もブログに書く場合は厳格にそのガイドラインを遵守する方針であることをここで確認したいと思います。
しかし、この心理社会的ワークショップは守秘義務を有する「外来医療」という枠組みではないことを皆様にご理解頂きたいと思っております。
はじめまして。
先ほどラジオ深夜便を聴いてすぐ検索してブログにたどりつきました。
被災者でありながらボランティア活動、本来の業務と大変な毎日だと思いますが神戸より応援しています。
私も何かお手伝いできることがあればとこれからもブログを拝見させて頂きます。
私も先ほどのラジオ深夜便を聴いて忘れないうちにと思い、ブログを開いてみました。大変な毎日を送っておられることが良く分かります。前向きに、前向きに日々過ごしておられることに敬服し、感動を覚えます。あの日から6日後に我々の仲間とチャリティーゲートボール大会を行って支援活動に乗り出しました。引き続き活動を続けるつもりです。遠く山口県から応援しています。
昨夜は中秋の名月が煌々と辺りを照らしていました。
先生の追記を読むとそんな方がおいでになることが
悲しいですね。
いろんなことがよき形となりますようにとお祈りします。
おはようございます。今日も暑いです。
ワークショップによって、どんどん心が開放されていくんだなぁと、読む度に思います。ステージの映像で出会う子達も粘土で表現していたし。私は、職業柄、絵がうまいんでしょう?とか粘土なんか使って立体的な物を作るの得意?と言われます。でも、大の苦手!なので、もしも自分が粘土で表現って事になったらこまるなぁなんて思います。なので私みたいに苦手な子達どんな感じで表現してるんだろう。なんて思ったりします。
世の中 物分かりのいい人ばかりなら人間 色々考えなくなるから…色んな人、考え方あるけど、ドンマイ!
心理的社会ケアーに写っている方は奥様なのかしら?
もしそうなら素敵な方と推察いたします。桑山先生らしいなと思いました。
追伸にあった心ない中傷。僕の予想も、同じお医者なのだと思っていましたが、だいたい同業者は、教師も同じなのですが、自分と違うことをやっている者に対して、いい感情を抱きません。やっかみと批判ばかりを向けるようになってきます。同じことをしていると安心するようなんです。低次元のこころ貧しい人々は得てしてインテリに多いものです。お医者ならなおさら、特権階級が働くでしょうからそのねたみ中傷はハンパないものなのでしょうね。
しかし、全国には桑山先生の活動を理解し、支援している多くの仲間がいます。めげずに自分の道を突き進んでくださることを信じています。
僕の「病」もたいしたことなく、今日無事退院の運びとなりました。あああ、心配して損した。
遥か、六甲の山並みを望む病院のパソコンルームより。
和歌山 なかお
先生へ
いつも子ども達をサポートしてくださってありがとう。
この活動は、誰でもできることではないですよ。
専門家だからできることではないんです。
桑山先生だからできる、続けられるんです。
私は自分の子どもにサポートが必要だったら、
相手を慎重に選びます。
桑山先生のところのワークショップだったら
行ってらっしゃいと送り出せます。
何かをすれば、ネガティブなものも生じますが、
実際の現場ではネガティブな中傷云々は
外側のことですから。
被災地で汗をかいて奮闘してきた人は
中傷しないと思います。
心ある本当の専門家であれば、杓子定規な中傷はしないと
思います。
河北新報のWEB版を拝見しました。
子どもも大人もため込まないで外に出すことが大切とありました。
安心して心を開けるスカイルームは素晴らしいと思います。
記者の方も丁寧な5回シリーズにしてくださっていますね。
しんどいことも多いと思いますが、桑山さんの信じることを貫いてくださいね。
ぷにゅさんへ
よかったらそのWeb版のアドレス皆さんにお伝えできませんでしょうか。
結局良くまとまっている5回連載だと思うんです。
桑山紀彦
河北新報の連載名は「スカイルームin名取 震災と子どもの心」です。
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1084/
ここへうまく飛べなかったら河北新報のHPから、震災特集の連載を探してみてください。
http://www.kahoku.co.jp/
ワークショップはまさに人を救う活動!子供の心の動きが見えるような感じで驚いています。
新聞をきっかけに拡がりが加速してほしいですね。
※
偏見や中傷などは正常に対して例外に属する存在です。
きれいな川にごみを捨てても絶対に汚れません。
めげずに、無視・無視です。
桑山さん こころの中のものを吐き出せる場所があるのは とてもいいと思います。
計り知れない悲しみを抱えても生きていかなければならない。
その手助けをしておられる桑山さんはじめスタッフみなさんに 感謝です。
みなさん ありがとう!!
みんなちがって みんないい(^O^)
今朝、ラジオ深夜便の放送を聴きました。ご活躍立派です。
私たちも5月炊き出し応援に多賀城市に行きました。漬け物1000人分用意して・・
津波博物館が一日も早く出来ますよう祈ります。
私たちも、地方で傾聴ボランティアをしています。
被災地の方々が、今最も希望としていること、先生のおっしゃったように、「人に話したい・語りたい」と・訴えられました。
。
今、私たちに出来ること・献金をすること・節約をすること・継続して支援続けること・理解して共有すること・
先生も頑張って下さい。
私も努力してみます。
深夜便お耳にかかりました。
お話いただき嬉しく 涙ばっかりの者です。
涙が、いつの間にか流れます。
「涙君さよなーら」
って詩歌 想い いつのことかしらって 想っておりましたが
いいんだ って 想えて ほっとsております。
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はじめまして!
報道では 拝見いておりましたが、、、
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治療の空間 建設 イイ アイデアと 感心!!!
{保健婦?}さんの{車}
これらは {治療}でも{文化}でも{重要文化財}でも ある
と 想っています。
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気軽に 利用でき いっぱい {悔しい}{無念}{ただ涙の溜まっていく湖になっても いいん ですよね。}
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墨あそび詩あそび土あそび
墨あそび詩あそび土あそび管理スタッフ KENNTA
墨あそび詩あそび土あそび管理スタッフ CHIKACCO
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深夜便 久々に きょうも 2011年9月14日も{防災教育8年目の石巻のリーダーの話をきけました。}
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紀伊半島の{山津波}{深層崩壊}っても 大変
台風の季節ですね。
どうか お気をつけください。
これからも お互い 心も応援しあいたいです。
よろしく おねがいします。
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墨あそび詩あそび土あそび管理スタッフ KENNTA
墨あそび詩あそび土あそび管理スタッフ CHIKACCO