パレスチナ自治区、ラマラの事務所に着きました。
2日目から取り組んでいるのは、スタッフの技能向上です。
心理社会的ケアはその多くをファシリテーター(いわば盛り上げ者)の力量に依存します。それは精神医学や臨床心理学を学ぶというタイプの「経験値」ではなく、「想像力」や「コミュニケーション能力」に頼る「経験値」です。だから実は専門家と呼ばれる人たちではなくても、十分に散り組めることも大きな魅力です。
現在ラマラの活動現場はカランディアとジャラゾーンという2つのパレスチナ難民キャンプです。そこで子どもたちに心理社会的ケアを提供しているのですが、現在のファシリテーターは4人。日ごろのワークショップをビデオに撮ってもらっていて、それをみんなで見返しながら語り口調や関わり方、間の取り方などを勉強しました。
みんなお世辞抜きでびっくりするほど成長し、子どもたちも落ち着いて活動に参加できるようになっていました。
一時は
「トラウマって何?」
「オレはそんな弱い人間じゃない、いつでも殉教できるんだ!」
と強がる子どもたちに、このケアを提供できるのか途方に暮れることもありましたが、今ようやく心の扉を開いてトラウマを、無理のない形で吐露できるような環境を提示できるようになってきたと思います。
映画「ふしぎな石~ラマラの大地」の日本語字幕制作も大詰め。
皆様に見てもらえるような映画になる予定です。
時差7時間なので、なかなか1日のリズムがつかめない状況ですが、頑張ります。
桑山紀彦