ミャンマー4日目

シャン州の真ん中にインレー湖という大きな湖があります。そこは一大観光地で、多くの観光客が訪れますが、高速船に乗って湖を走り回るわけですからとてもダイナミックな体験でできます。そしてうまくできているのは、巨大なパゴタがあって、ミャンマーの仏教文化を知ることもできるし、趣向を凝らした様々なお店があり、伝統的な織物工場、ビルマネコに触れられるレストランなど様々な拠点があると言うことではないでしょうか。

スタディツアーで大切なことは、全ての日程をミャッセ・ミャー村に使ってしまうのではなく、時にはこういったミャンマーの魅力を知って頂く、エクスカーション(行楽)も折り込むことだと思っています。その意味ではミャッセ・ミャーから1時間以内でいけるこの一大観光地、インレー湖はとてもありがたい存在です。ツアーの皆様も時々雨降る中でしたが楽しんで頂けたのではないでしょうか。

そしてなかなか雨がやまないので予定を変更し、子どもたちの学校に行くことにしました。学んでいる姿を見ていただくことはとても貴重ですが、一方で子どもたちが学ぶ中学校、高校はいろんな民族の子どもたちが集まってきています。決してパオ族の子どもたちだけが学んでいるわけではないので、そこに私たちが入るともしかしたら、

「なんでパオ族だけが支援受けてんだ?」

となるかもしれず、それを危惧してなかなか学校には行けていないのが実情です。それでも放課後の時間帯なので中学校、高校を訪れると風邪気味の校長先生が出てきて下さり、快く訪問を受け入れて下さいました。勇造さんの里子さんがいろいろと案内してくれましたが、高校2年生は最終学年なので、この放課後補習授業を受けていました。3月6日は大学入試センター試験です。

しかし、真樹さんの里子さんがいません。聞くと向こうの寄宿舎にいるといいます。出かけてみると彼はそこで共同生活をしながら勉強の集中トレーニングを受けていました。彼は本気で大学を目指しているのです。だから公立高校の授業には参加せず、この寄宿舎で特別な経費を払い集中した勉強を受けていたのでした。

本気で大学に行きたければ、お金をかけてそういったシステムを利用していかないと先には進めないのだと思います。母子家庭で育つ彼は、母の願いを受け止め、自分の夢をかなえるため猛勉強中でした。

でも一方で通常の公立高校をしっかり卒業し、地元に残って家業の農業を継いだりする道もまた素晴らしいと思います。つまり幸せとは、自分の道を自分で決めることができるということなのだと教えられます。

頑張れ!!最終学年11年生たち!

さて、その足でミャッセ・ミャー村の水源、「龍神沼」に出かけました。支援金で修理した水車ポンプがちゃんと動いているかの確認です。相変わらず美しい龍神沼は、わき出る水に田んぼを通る雨水の濁りが多少混じっていましたが、紺碧の深みをたたえ豊かでした。そして水車ポンプも見事に作動して、5キロも離れたミャッセ・ミャー村に水をたゆたゆと運んでいました。

再会した村長、チョー・トゥオさん。

「昨日のビデオは本当に良かった。みんなで感動した。是非また撮影に来てくれ。」

そして、

「今のポンプもいいけれど、実はより強力なポンプが出現した。それにすると今の2倍の吐水量になる。是非支援してもらえないだろうか…。」

さすが!常に村のことを考える村長さん。約6万円というそのポンプ。まずは見積もりからもらうように依頼しました。きっと明日の朝には実際の見積書が届いているような気がする…。

とにかく常にエキサイティングなミャッセ・ミャー村です。ツアーのみんなもさぞ去りがたかったと思います。僕もそうです。

でもその去りがたい想い、後ろ髪引かれる想いが次の想いにつながっていくのではないでしょうか。

「また来たい!」

「また会いたい!」

その想いを胸に、みんなで村をあとにしました。

桑山紀彦

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