ミャンマー2日目

さて、ミャンマーについて2日目の今日は支援しているパオ族の精神的な聖地、カックー寺院を訪れました。ミャッセ・ミャー村からだとゆうに2時間以上かかる地域にありますが、その周りには多くのパオ族が暮らしています。従ってミャッセ・ミャーはずいぶん離れたところにぽつんとあるパオ族の村ということになります。だからこそ余計に近隣との融和、融合が大切なのでしょう。

現在の村長さん、チョ・トゥーさんはそんな「融和」を絵に描いたような優しい人で、彼のような人がこの村をまとめるので、私たちのような異邦人が村に入っても村人は本当に優しく受け入れてくれるのだと思います。

さて、午後からは今回スタディツアーで来て下さっている里親の皆さんの中で、山藤美之さん、山藤千世子さん、そして川上真樹さんと僕、桑山の4人の里子さんの元を訪問しました。家に行ってみると実はお母さんが8歳の時に亡くなっており、お父さんは出稼ぎ中だからおばあちゃんが一人で育てていたり、お父さんを早くに亡くしてお母さんが女手一つで育てていたりするご家庭にであいます。幸せそうなミャッセ・ミャー村であってもはやり人生に避けては通れない不幸が降りかかってきたりしています。それでも希望は子どもたちの存在。

彼らが夢を持ち、学ぶ意欲を持って生きていることが大人たちの誇りであり、元気の源です。それは血がつながっていようがいまいがそんなことは関係ない、どんな大人にとっても「自分も頑張ろう」と思えてくるエネルギー源なのだと思えてきます。

お父さんを亡くしている真樹さんの里子さんは今高校の最終学年。この3月には大学入試センター試験を受け、大学を目指します。本当は男手がいなくて、家を支えてほしいと思っているであろうお母さんも、

「この子が大学に行きたいというなら、行かせてあげたい。」

と即答。真樹さんも、

「うちにも大学4年になる娘がいるけれど、子どもがやりたいという事をやらせてあげたいという気持ちではお母さんと同じ気持ち。」

と答えていました。

世界は「人類」という共通の種族でつながっていると感じられる、大切な時間が流れていきます。このことが、僕たちにとってミャンマー事業を展開する一つの大きな理由です。国が違っても子どもの成長を願うのが大きな喜びだということ。それは未婚でも既婚でも、子どもがいなくいても子だくさんでも、若くてもおばあちゃんになっていても全く変わりのない「人の成長を願う」という点で一致している大きな人類の共通する価値観だと思いました。

明日は1日、子どもたちと過ごす大切な時間です。

そして初めて夜のミャッセ・ミャーに入りました。星空のタイムラプスを撮影するためです。今日は満天の星空。気温もそう寒くなく風もない新月(月が出ていない)貴重な夜です。イェイェさんの協力を得て村に入り、パゴタが映り込むすごいアングルで夜空にカメラをセットしました。22時から翌朝7時まで、15秒の露光時間で20秒間隔で星空を撮り続け1440枚の写真をRAWで撮影します。それをつなげてムービーにすると、夜空の星が動きます。

ふとみるとイェイェさんのお父さんをはじめ、数人の村の男衆が集まってきています。

「村の男でカメラを守るんだ。」

「いや~、そんなこと頼めませんよ。誰も取りはしないと思うから、寝てて下さい。」

といっても、

「村の星空を撮るんだろう?それじゃあ協力しなきゃ!」

と引く様子がありません。

本当に心優しき人々。村の皆さんが日ごろ見ているとは思うけれど、実際にタイムラプスするとこんな素晴らしい動く星に見守られているんです、ということを伝えることで恩返しです。

でも、失敗してたらどうしよう…。

桑山紀彦

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