富山国際大学附属高等学校

富山国際大附属高等学校は、全国でも大変先駆的な試みをしているすごい学校だと思います。

まず同じクラスの中に多文化の子どもたち、特に経済的に恵まれている外国籍の子どもたちを進んで受け入れ、クラスそのものを多文化交流の場所にしています。

ある時イスラムの聖職者の息子が転校してきました。お父さんが聖職者なので、子どももその流れの中でヒゲを伸ばさなければならないと言います。しかし通常高校生がヒゲを伸ばして登校することはないわけで、学校としても議論しました。彼を特別に許可してしまうと、悪ノリして日本人の高校生もヒゲを伸ばしたらどうするのだろう、とか。

しかし倉田校長先生は、

「まあいい、やってみよう。」

と彼のヒゲを許可しました。しかし誰一人として悪ノリでヒゲを伸ばす生徒はいませんでした。そして卒業式にはたった一人豊かなヒゲを蓄えた高校生が集合写真に写っていたのです。なんともすごい話しです。

「まず、やってみよう」

という倉田校長先生の指導者としての先駆思考が確実に学校をいいものにしています。

多くの多文化の子どもたちが中学時代まで嫌な思いをしてきています。ヘジャブを巻く女子、肌の色の違がう自分…。でもこの高校では約10%がそういった多文化の中で育った子どもたちなので、誰もそんなことでからかったり差別はしません。だから居心地がよく、みんなこの高校が大好きになります。居場所を見つけていくのです。

そしてそれは実は日本の子どもたちにもいい影響を与えていると倉田校長先生は語ります。

「みんな人との違いに悩む時期。それが高校生。でも見た目も習慣も見るからに違う子どもたちと一緒にいるから、”違っていて当たり前””自分らしくてもいいじゃん”と考えられるようになる。それがいじめの低減につながり、グループ化や対立事件の減少につながって、結果この高校は安心して通えるものとなり、子どもたちが落ち着いていく。それが心の成長につながる。」

もうお見事!としか言いようのない、先駆的な高校運営を実現していらっしゃいます。恐るべし、倉田校長。

そう言われてみると、今年で14年目の連続公演ですが、最初の頃はざわざわしていたのに、この10年くらいは本当にみんなびし~っとよく聴いてくれて、全くなんの不安もなく毎年公演をさせてもらっています。そして公演後の交流会の質問のレベルの高さも毎年毎年上がりっぱなしです。

高校ってこんなに変われるんだという10年の変革を目の前で見せてもらっています。

倉田校長が続けます。

「だから「地球のステージ」を呼び続けるのです。落ち着いた日々の中で世界を見てもらい、自分の高校の中で起きていることが実は世界にも通用することなのだというメッセージを先取りして伝えることで、子どもたちは刺激を受けまたドンドン伸びていく。「地球のステージ」に刺激され大学卒業後外務省のインターンシップに合格して今パレスチナのラマラにある日本大使館にいる金森さんもそうやってステージに背中を押されて行動に出た一人です。」

もう当たり前のように、

「来年はいつにしましょう。」

と笑顔で問いかけて下さる倉田校長、三浦副校長先生。

富山国際大附属高等学校、これからのさらなる大きな発展に「地球のステージ」も仲間に入れてもらえている気持ちで、これからも続けていければと思います。

一旦羽田に戻って明日は大阪、寝屋川の第5中学校公演です。

帰りは砺波の柳瀬のおけいちゃんと大好きな「番屋のすし」で美味しい富山のお寿司。おかげさまで久しぶりのポイントカードが使えて、500円の値引き券が発行された~!でも、それを使う前に印字が消えてしまうかもしれないなぁ…。

桑山紀彦

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