今日は山口県周南市のステージでした。
周南市は、市役所と教育委員会が合同で企画し、市内の学校を定期的に巡り、「地球のステージ」を子どもたちに見せていくという事業がずっと続いています。こんなふうにして下さっているのは他に、神奈川県海老名市、仙台市泉区、茨城県稲敷市などがありますが、旅費がかさむ西日本でこんなにも熱心に連続公演をしているところは他にはありません。今日は周南市(旧徳山市)の住吉中学校と今宿小学校の5,6年生が集まっての公演でした。
暑い中、やっぱりとっても真剣に聴く子どもたちで、周南の教育レベルは高いと思います。
山口県といえばいつもいろんな県の公演に現れ物販売を大きな声で手伝ってくれている赤木さん(八王子在住)の故郷です。
仙台空港が復興途上で便数が激減しているために、朝の5時前に起きて7時台の庄内空港発に乗り、羽田で乗り換えて山口宇部空港に早く着いてしまった僕たちは、一路赤木さんの実家を目指しました。もちろん赤木さんも故郷山口県公演だから実に普通に実家に帰り、今日も物販売の手伝いスタッフとして活躍してくれます。そんな赤木さんの実家は大きな農家でした。お父さんが一生懸命草刈りをしていました。
そんなお父さんと話すうち、農業、土に生きる人の意気込みと知恵が伝わってきました。実はこの山口市の東、名田島地区は農業干拓地でありすぐ近くが海です。お父さんが言いました。
「これまで何度も何度も塩をかぶって、ワシらは塩害に苦しんできた。水は大変じゃ。人間ではコントロールできん。ひたすら水が襲ってこないようにと待つだけじゃ。」
「津波も同じですね。」
「ああ、自然には逆らえん。」
静かに語るお父さんでした。しかし、娘の赤木さんがいいました。
「お父さんはいつも責任感があるけ、水が上がってきよると誰よりも先に水門の開け閉めをやりにいく人じゃ。だから正直津波とか、水害とかきたら一番最初に出て行くのはうちのお父さんだから、一番先に死んでしまう可能性が高いんよ。」
福島でも水門を閉めにいって亡くなったお父さんの話が報じられていました。責任感の強い人ほど、津波や水害でなくなってしまう、「見て見ぬふりしない」人たちです。
さて、いよいよの小学生、中学生のための「ステージ1番~震災特別版」が始まりました。
もう既に顔なじみの皆さん、森廣さん、柳さん、松本さん、高市さんが終結し今回も市として教育委員会として、ステージを盛り上げていって下さいました。そんなふうに大人が一生懸命何かをやっていることが子どもたちに希望を伝えていくため重要だと思いました。
そして今日も閖上の走るおばけの話をして、「死ねって言っては、いかん」ということを被災地を代表して伝えに来たと投げかけてみました。生徒会長の男子もなかなかまとまった感想を原稿もなしに伝えてくれたと思います。日頃の教育の成果が出ているなあ、と感じました。
これからもたくさんの学校をまわり、生と死の物語を伝えていきたいと思います。
さて、明日7月2日は、サッカー全日本北澤豪さんのサッカー教室です。見学は自由です。名取市下増田の下増田小学校のグランドで14時からボールを使ったワークショップなどを行って、16時から北澤さんと稲妻イレブンによるサッカー教室です。
ぜひおいで下さい。山形南高等学校のサッカー部の3年生も助っ人で入ってくれます。
桑山紀彦
ここ数日、30度を超える日が続いて夜も寝苦しい… 保冷剤をタオルにまいて枕にして寝たり。まだ、6月なそに…
電車は今日から節電ダイヤ。朝の満員電車でいつも一緒だった方を最近見なかったりします。サマータイムなのかな?早く、涼しくならんかなぁ…
徳山駅の“真実のふぐ” 浸透していくと徳山駅に途中下車の人も出るかも?JR西日本が喜ぶかも!
大地を相手に仕事をしている方は、まさしく自然と同化した生活をされている。規則正しい1年間のサイクルは多分自然の掟を基準にしているのだと思います。お父さんは当然のこととして「自然には逆らえん」と言われた。自然を征服したとの思いあがりを砕かれた人たちは推して知るべしです。
明日のサッカー教室~たくさん希望をふるまってください。
報道ステーションで黒柳徹子さんのコメント・・・
なんでも自由に手に入るのが当然の日本の子供。しかし世界の90%の国では、貧困・紛争・飢饉などで、生きるぎりぎりの生活を強いられている子供がいる。この子供たちを見捨ててはいけない。
桑山さんの思いと被って聞いていました。
イヤな記憶
田舎というのは便利さを追いかけていると住むことはできないのだが、不便も、そんなものかなと思って暮らしているとそれほど気にはならない。
通勤に使うJRきのくに線は、1時間に2本しか電車はないのだけど、それほど大変だとも思わない。
都会暮らしだと15分も電車を待ったりすると、とてつもなく長くイライラしながら電車を待つことになる。不思議と田舎ではそんな気にはならない。
電車通勤を始めて4年になるが、電車の時間に間に合ったり、いま一歩のところで間に合わず、次の電車を待ったりすることも何回かはあった。ぎりぎり間に合ったり、乗り遅れて30分電車を待ったりしたのはいったいどちらが多いだろうかと、暇にまかせて考えてみた。思い出されるのは、ギリギリ間に合った記憶ではなく、乗り遅れて30分待たされた時のことばかりを思い出す。確かに旨く電車に乗れたことも度々あったはずであるが、不思議とその記憶はない。なぜか乗り遅れた時の苦々しい記憶ばかりである。
人はよく言う。施されたことは忘れるが、施したことは忘れない、と。
人間というものは、都合のいい動物なのだと思う。同時に辛いこと、イヤなこと、傷ついたことはいつまでも忘れられず、心に刻み込まれるものなのだろうと思う。
津波の記憶もそう簡単には消えないだろう。津波祈念館が必要な理由が、ここにあると思う。
和歌山 中尾
周南市、いいなぁ!
実は昨日、益田市長と話したんですが、市長のやる気に対して益田市の予算があまりにも低いようです。
でも、あきらめずに市長を口説いていこうと思ってますよ。
市長が嘆いてましたが、関西から嫁いでこられた市長の奥さんにたくさんの人が「こんなところにどうして来たの?」っていうそうです。自分のふるさとを「こんなところに」と言ってしまう益田人、悲しいですね。地球のステージ益田の活動はそんな悲しい益田人を一人でも減らすことにつがると思ってやってます。
「桑山さんのいいとこは、世界の話したで、地域のよさを語るとこなんだよね」
「いや彼の感覚では地域も地球の裏側も同じ距離なんですよ」
「そうだよね、目の前で倒れた人を助け起こすのと同じように東チモールやパレスチナで活動できるんだよね…」
ひとしきり桑山さんの話題で盛り上がりました。
赤城さんの故郷、周南市でも子どもたちに向けてステージが出来て良かったですね。
「自然には逆らえん」というお父さんの言葉が真実ですよね。
大地と関わって生きること、それが人間本来の姿なんですね。
ほとんど土を踏むこともない私は、想像力を逞しくしても限界があります。
「生きること」をもう一度考え直したいと思います。
周南市で市と教育委員会が企画して、学校でのステージを定期的に開催されているのは素晴らしいことですね。ここまでくるのに、赤木さんはじめ多くの人の地道な努力があったのは想像に難くありません。私の街、三原市でも3年前にステージ1が開催されていますが、定期的に開催出来るようにしていきたいと思っています。
それにしても長年土とともに生きてこられた赤木さんのお父さん、いい顔しちょられるわ。
赤木さんのお父様は、『由緒正しい日本の優しいお父さん!』って感じですね。きっと赤木さんと同じで明るくてやる時はやるっていうお人柄なんでしょうね。