今からちょうど10年前、長崎県壱岐の島に降り立ち、ミニライブで初島小学校でのステージを公演しました。
中村浩子先生という熱い小学校の先生が呼んでくれたものですが、初めての島での公演、こちらもドキドキしましたが、子どもたちもどんな人が来るんだろうとドキドキしていたと思います。最低限の機材を持ち込み、音響も映像も十分な設備を組めなかったけれど、浩子先生の熱意と、子どもたちの純粋な気持ちがそれをカバーしてくれたと思います。
このときの様子をドキュメンタリーにして「逢いたい」という短い作品にしましたが、その中で最後に島から去る船のシーンがあります。そこに乗せて子どもたちの書いてくれた感想を、子どもたち自身が読んでくれて紹介しています。
一番最初の竹口君。忘れられない語り口、
「平和、平和、平和が大事。」
という竹口君でした。
前半は
今日相模原の「市民平和のつどい」の「地球のステージ」が終わり、いろんな人が来てくれたその一番最後にじっと待っていてくれた若い女性は、声をかけるなり涙をこぼしながら、
「私は10年前に初山小学校で”地球のステージ”を見ました。」
こちらも思わず想い出が蘇り、涙がこぼれてきました。
「お名前は?」
「竹口和公美(わくみ)です。あの一番最初のコメントの竹口の妹です。」
「今はこちらに?」
「はい、この春から横浜で小学校の先生をしています。」
嬉しかったですね。あの時はお兄ちゃんの学年が中心だったので、妹としてひっそりと聴いていてくれたのだと思います。でも、ずっと覚えていてくれて、
「ずっと「地球のステージ」に行きたかったんですが、遠くて行けませんでした。でも今日は相模原だったんで、来られました。」
こんなふうに子どもたちの心に残り、時を経てまた「地球のステージ」に来てくれる。立派な大人になり、学校で先生を始めた。本当に「地球のステージ」を続けていてよかったと思う瞬間です。
「今も島に帰ってる?」
「はい、年に2回は必ず!」
小さな島に降り立った「地球のステージ」。満足な機材もないけれど、とにかく「気持ち」で歌ったあの日。和公美さんには大切な想い出になってくれたようです。
お兄ちゃんと同じ学年には長崎大学医学部に行った鋸崎君もいます。いつかまたみんなに逢いたい。大人になったみんなに。それは二度目の「逢いたい」なのだと思います。
桑山紀彦
和公美さん おみごとポン!
桑山さん おみごとポン!
そして ありがとう。
私も「逢いたい」です。
成長した初山小のみんなに。
さらにご活躍の桑山さんに。