日本で一番長く続いている中学校はどこか。
公立中学校でこの14年間1回の切れもなく続いているのは、この京都府宇治市立宇治中学校です。もちろん私立中学校を併せても、宇治中学校が最長です。
火をつけて下さったのはもちろん中江先生。現在まで木幡中学校→西小倉中学校→西宇治中学校と3校異動され、その全てで「地球のステージ」の公演が続いています。中江先生は火付け役として大活躍ですが、それだけでは続かないと思います。
なぜ、この宇治の町で4校もずっと続いているのか、それは「地球のステージ」をご覧になった他の先生方が、ご自身でしっかりとその意味を分かって下さっているからだと思います。今日は司会に西田先生が立って下さいました。
「みんなにこのステージを見てもらいたいのはな、どんだけ相手の身になれるかという”想像力”を養ってほしいからや。今日もたくさんの世界の子どもたちが出てくるけどな、みんなもしも自分がその立場やったらどないやろう…という気持ちで見てほしいんや。」
こうして西田先生がステージを見る意味づけを自らして下さいます。中江先生が異動されたあとでも一人一人の先生方が、
「なんでこのステージを毎年呼ぶんや?どんな意味があるんや?」ということを自問自答されて、ちゃんと自分なりの「呼ぶ意味」を見いだして下さっているので、こうして続いていくのだと思います。中江先生の思いと願いはちゃんと次の先生たちに引き継がれているということです。
「きとくな先生が旗振って勝手に呼んだんやから、ワシは興味ないわ。」
ではなくて、せっかっく呼ぶんやからみんなでその意味をちゃんと考えようやという気持ちでいて下さる。だから14年も続いているのだと思います。
どこかの町では必死に市役所や教育委員会が頑張って呼んで下さるのに、現場の学校の先生方には「棚から落ちてきた餅」のように、「ふ~ん、こんなステージにあるんだ~」みたいな感じでしか受けとめず、全く興味も関心も持とうとしないことが起きています。とても残念に思います。
宇治中、南校長先生。
「来年もやりまっせ~!
公演回数とその内容の濃さでニッポンの先頭をひた走る宇治中学校。今日も完璧な聴く姿勢で生徒さんたちも受け止めて下さいました。今日は3巡目の2番でしたがあえて「ゼロ戦と大地」を入れました。南先生曰く、
「平和教育として素晴らしい教材や。ものすごくよかった。」
やっぱり関西弁はしっくりきます。
午後からの香芝高校は今年初めての奈良の県立高校でしたが、最初ピューピュー、ドンドンと妙なノリだったのに、1曲目のアメグレでそういうイベントではないなあ、と分かった瞬間切り替えて静寂の中で聴いてくれました。
あのままのノリの中で行ってしまったらどうしようかとは思いましたが、奈良の高校生はやっぱり素直です。ピューピュー、ドンドンできる高校生が逆に少なくなってきているので、かえってその元気さに安心しましたが、すぐに切り替えて「聴く姿勢」を見せてくる高校生の姿に感動したのです。
奈良の高校生、万歳!
桑山紀彦