東ティモール出国

 今回の東ティモールの渡航で、非常によくわかったのは、やはり国際協力に関わってきてよかったという感想です。

 考えてみれば2ヶ月間24時間病院を開け続けていられたのはSHARE(東京)、ロシナンテス(北九州)、Tico(徳島)というNGOと関わってきたからだし、その後も多くの医師に当直してもらえたのも元をたどればみんな国際協力で知り合ったもの同士です。

 そしてこの東ティモールに来て実に多くの皆さんに心配してもらえていることがわかったし、ただでさえも世界最貧国としてがんばっている最中に実に100万ドルものお金を日本に提供するなど「お互いさま」の精神が生きているなあと思うことばかりでした。

 それは考えてみれば東ティモールには昔からNGOが入り、自衛隊がコツコツを道を直し、JICAが地道に開発の支援を行い、国連に多くの日本人の顔が見えてきたことが東ティモール人にとって日本を身近にしてきたのだと思います。だから、自国の立て直しでただでさえ大変なのに、そして何千キロも離れた南半球の島なのにこうして支援してくれるわけです。考えてみれば、現在日本はアフガニスタンを抜いて世界最大の被支援国(助けられている国)になりました。そうやっていつも世界が「お互いさま」であったら、世界もよくなっていくと思えるのです。

 震災復興の最中、僕の留守を守ってリンリン(林由美)、ケンケン(宗貞研)が一生研目「スカイルーム」を運営してくれています。スカイルームは閖上小学校、中学校のみんなと放課後に心理社会的ケアを行う活動部屋のことです。小学生のみんなのエネルギーは強いものです。そんな一つ一つのワークショップを大切にしながら、毎晩東ティモールと名取を結んで30分以上Skypeをして話し合っています。インターネット電話も便利になりましたね。なんと東ティモールとただで30分以上3人で会話できるのですから。そのおかげで僕たちは遠く離れていてもずいぶんときちんとした意思疎通が図れたと思っています。ただ、スピードが速いのはフロント横のLANなので、そこでSkypeやっているとパソコンに向かって独り言いっている変なひとがいることになるのと、どうしても蚊に刺されやすく、今出ている熱はマラリアか?と思う不安があります。

6/10-1

 いよいよマラリア特効薬Co-Artemの出番か?


 震災以降、まったく病気もせず、熱も出ず、体調を崩すこともなく、絶好調でやってきた日々でしたが、ちょっとくじけましたね。疲れが出ただけの風邪であることを祈ります。今日の夜中飛んで明日の朝関空に戻りますので、どうかご安心を。

 でも土曜日、名取に帰ったらまずは午後から外来です。1週間の留守は患者さんにも負担ですからしっかり診察していかないと。

二転三転してきた読売新聞は13日(月)の夕刊のようですね。前日の12日(日)の朝日新聞朝刊にも出るようです。また何だかんだ言われそうで辛いところもあります。

 では、帰国します。


東ティモール出国」への11件のフィードバック

  1. お疲れ様!一生懸命!ですよ!(-"-;)な~んちゃって。今日は木原先生とお茶をしました。職場からタクシーとばしてドームホテルまでいきました。タクシーの運転手さんと国際協力について話してムカッ(`ε´)としましたが、落ち着いて、海外に出て行く人々(特にお医者様)について話しました。照れて、先生と話せないかもと思ってましたが、いきなり出現されたので照れる暇がありませんでした。
    リンリンとケンケン パンダみたいに、閖上の人気者になるのかな?

  2. なんだかんだ、が、なくなることはないのでしょうが、ひとりずつ…ひとりずつでいい、伝わっていったらいいな、とおもいながら、ゆっくりでも、あきらめずに、貫いて、日々を生きている名取人です(^-^)先生!わたしたちのまちに、笑顔と元気が増えていくように…がんばりすぎずにがんばりましょうね(^-^) なんて、生意気いってすみません!あしたはボランティアいってきまーす☆

  3. なんだ、かんだ、いわせとけばいいよ。 ぼちぼち行きましょう! いつも、祈ってますよ!

  4. 桑山さん
    熱をおしてのブログアップ、ありがたいけれど、ご自愛くださいね。[医者の何とか~]はナシにしてくださいよ!!
    なんだかんだ、か…困ったもんだけど、捉われていては何も出来ないですものねぇ~。
    山しん様のおっしゃるように、言いたい人には、言いたいだけ言わせておけばいい!私も祈らせて頂きます。
     

  5. 桑山さん、お疲れ様です、東ティモールの方々も日本の震災を心配してくださっているのですね。嬉しいですね。どうぞ、お気をつけて帰っていらしてください。早く熱が下がりますように。

  6. 国際協力・お互いさまの輪~特に桑山さんを囲む輪は大きく広がっていますね。今までの清貧な活動に対する共感だと思います。
    なんだかんだがあっても、今までやってきたことが正しかったことを証明しています。
    それにしても体調が心配です。後藤さんも大丈夫ですか?
    蚊に負けないで帰ってきてください。
    10日毎日夕刊に前知事浅野さんの記事が載っています。念のためにFAX入れておきます。

  7. 桑山さん、初めまして。
    私は昨日大学のゼミで桑山さんのご活動や東ティモールについてのお話を拝聴いたしました。
    豊かな自然、自然と共生しながら生きる現地の方々。写真の1枚1枚がとても生き生きとして鮮やかであり、無言で訴えかけてくるものを感じました。
    その中で「お互い様」が世界共通であることに、特に共感を覚えました。今回の大地震でも世界各地から支援物資・義捐金が日本に送られ、それが報道される度に人間の心の温かさ、世界の絆を感じました。
    今回のゼミを通して、また桑山さんのブログを拝見して、一個人として世界をよりよくしていくために何ができるのだろうか、どのように関わっていくべきなのだろうか、と考えさせられました。百聞は一見に如かず、ということでまずは実際に世界を歩いて、見てみることが最初の一歩なのかもしれません。
    日本には日本の、東ティモールには東ティモールの幸福があるでしょう。それを理解し、受け入れることが重要で、逆に学ぶべき点も様々あるかと思います。何かしらのアクションをまず起こして「世界をみてみたい」と思います。そして自分なりの貢献ができたら、と思います。
    世界に目を向ける貴重な機会をいただき、また経験を共有させていただいたことに感謝いたします。
    桑山さんのますますのご活躍をお祈りいたします。

  8. 桑山さん、マラリアですか?熱、心配です。大事にしてくださいね。
    林由美さん、宗貞研さん、有難うございました。
    皆さんのネットワークのおかげで地球のステージの事業やコンサートが出来ます。
    フル回転の桑山さんと事務局の皆さんは休む暇もなく、各地を駆け巡っています。
    心と心がつながって、温かい「お互い様」の気持ちがうれしいです。
    名取で帰りを待っている方も大勢いらっしゃいますね。
    桑山さんは一人しかいないのですから、たまにはゆっくり休んで元気を回復してくださいね。

  9. もう お帰りなさいかな?桑山さん大丈夫ですか?
    東ティモールの人たちに 多くのパワーをもらわれたようですね。
    共に助け合う。お互い様。昔 日本の中にもいっぱいあった事ですよね。
    物があふれ隣は何をする人ぞ! じゃないよと 口ではいってたけれど 身体で こころで 感じられるようになってきました。
    おせっかいな 大阪のおばさんでいますね!
    桑山さんくれぐれも お身体 お大事にしてください。無理しないでください。

  10.  朝から猛烈な雨である。我がポンコツ軽四輪のワイパーは、ずずずうと、雨をよけているのかフロントガラスを擦っているのかわからない状態でほとんど前が見えない。車を飛ばし早朝からのお仕事である。
     講演会をお願いしている講師先生との打ち合わせに向かうのある。先生多忙のため開いている時間が今日の早朝しかない。しかたなく眠い目を擦りながらポンコツ軽四輪車を飛ばす。が、この猛烈な雨の中、目的地まで辿り着けるかはなはだ不安になってきた。しかも、カーラジオは和歌山県内に竜巻警報が発令されたと言っている。ひええええ。くわばら、クワバラである。
     竜巻といえば、僕は以前に竜巻に巻き込まれたことがある。あまり自慢にはならないのだけど、船とともに海に沈んだ経験がある。(どんな経験やっちゅうのん)。海中に沈んだあと、船から逃げだし、海上をプカプカ浮いていたところを漁船に助けられた。海に浮かぶこと2時間であった。いずれそのことはもっと詳しく書くことがあるかもしれないが、もうあんなことは二度と嫌だ。竜巻こっちへ来るな、そう叫びながら車を走らせた。
     やっとの思いで講師先生のお宅につくと、先生は笑顔で僕を迎えてくれた。
     「この雨のなか、大変でしたね。竜巻警報も出ているようで」
     「ええ、もう大変で。僕は竜巻が苦手で・・・」(竜巻が好きな人もいないと思うが)
     講師先生は和歌山県臨床心理士会の会長である。つまり、偉い人である。
     僕は講演に関するテーマや日程、事務事項などを手短に話すと臨床心理士会の仕事について尋ねた。
    「臨床心理士会としてはどのようなお仕事をなさっているのですか」
    「まあ、日本臨床心理士会の下請けのようなもんですな。たとへば、政府から日本臨床心理士会へ東日本大震災のこころのケアーが必要だからカウンセラーを寄越して欲しいという要請があったり、そうすると和歌山県からは何人出してくれとかいってくるので、そういうのに対応しています」
    「今回、和歌山県から臨床心理士の方は東北へ行かれたのですか」
    「いま、行っていますよ。あちらは大変なようですすからね。震災から1,2ヶ月経ってくるとこころの問題が大きくなります。当初はそれほど顕在化していなくても、今頃になると出てくるんですよ。ですから、今後は臨床心理士のはたす役割も大きくなりますよ」
     なるほど、桑山先生が、物語化のときが来たと言っていたのを思いだした。
     震災対応で和歌山県からも臨床心理士の方が東北地方に行っている。こんな復興支援もあるのだなと、我が無知を恥ずるばかりであった。
     帰りに我がポンコツ軽四輪車に乗り込むと、カミナリがゴロゴロと鳴り出した。まったくもうううう。いいかげんにしてくれよよよよよお。僕は、世の中で、カミナリと注射がなくなればいいと思っている人間である。竜巻の上にカミナリかあああああ。
     今度は、無事に我が家に辿り着けるのだろうか、ますます心配になってきた。
      和歌山 なかお
    ps コメントを書いたということは、無事に辿りついたということ。でも、死ぬ思いであった。あーあ、怖い。

  11. 桑山先生、お疲れ様でした。東ティモールの貧しくても生き生きした人々の表情がとても印象的でしたね。
    それは「未来への希望」に満ちているからでしょうか?
    日本人も昭和三十年代頃まではこんな表情の人が多かったように思います。
    また今回の旅のエピソードが編集されて新たな「地球ステージ」になることを楽しみにしております。

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