撮影2日目。順調に見えたにもかかわらず勃発したのは、「女子の争い」でした。
というよりも助演のある少女がまだまだ成長の過程でわがまま感が強く、いろんな不満が噴出していることが問題でした。前作でもそういった傾向がありますが、一方で天然であり、きっと素直なところもある子なのだと思いますが「暑い」「疲れる」「主演がうらやましい」など様々な要素で手を焼くという事態。
津波のあとの心理社会的ケアで関わった閖上小学校の子どもたち、「スカイルーム」を思い出しました。そういえば、そういった問題児は何人かいてりんりんもけんけんも手を焼いていたなあという記憶。それは決して心的外傷というものではなく、その子の成長上の課題なのだと思います。でもスカイルームでも全体の「和」を乱すということで3人ほどは「永久退場」となりました。りんりんもけんけんも「もっとなんとかできなかったか」と非常に責任を感じて悩んでいた姿を思い出します。
うちのラマラのスタッフが立派だなあと思うのは、それでも時間をかけて説得し、なんとかその問題の子が演技に戻れるようにベストを尽くしたことです。まだまだその態度に問題はあるけれど、1時間にわたる中断を経てまた演技は再開されました。
子どもと関わるのは本当に忍耐だと思います。特に小学校高学年は難しい。大人の思考からすると「切ってしまえ」となるけれど、やはり一緒の船に乗っているもの同士、なんとか降りないで最後の目的地まで行きたいものです。
従って今日はシーン5番、図書館のシーンと、シーン6番、パレスチナ刺繍の女性に会うシーンのみで終了となりました。こちらもヘトヘト、みんなもヘトヘトでした。しかし問題児は意外にケロッとしている。これに耐えながらやっていけるかが、おそらく子どもたちと関わっていくスキルなんだと思いました。
身体の芯に疲れがしみ込んでいる、そんな1日でした。
桑山紀彦