イェイェさんのために書いた「月光の龍」。彼女は子どもたちにせがまれて、今その歌詞を覚えようとしてくれています。日本語で歌うことに意味があると言うことで、明ちゃんが丁寧に日本の読み方を「ローマ字」で振ってくれました。
パオ族のイェイェさんが日本語で「月光の龍」を歌っていると、とっても気恥ずかしかったですが、来年1月のスタディツアーの時には、子どもたちが日本語で歌ってくれるかもしれません。涙止まらないでしょう。
そんなイェイェさんにいろんなことを聞いてみました。
まずはロヒンギャ族のこと。
「自分はロヒンギャのことを、それほどよく知っているわけではありません。でも知らないからといってその人たちを排除するのは間違っていると思います。私にはイスラム教の友だちがいます。彼女たちはとてもいい人で、家族もみんな親切です。だからもっとロヒンギャ族のことを知るべきだと思います。
彼らはミャンマーで生まれ、ミャンマーで育っているのであればミャンマーの国民だと思う。ニュースに振り回されるのではなく、自分たちで判断していくべきだと思います。」
そして自分のこと。
「私の人生は常に模索の毎日です。定まらない道を迷いながら進んでいるようなものです。決して人生をうまく導いてくれる”師”のような人はいませんでした。しかし、いつも思うことは常に挑戦し、夢を持ち続けることの大切さです。
この1回しかない人生を後悔したくない、その思いでこれからもいろんなことに挑戦し続けていきたい。だからこれかも迷いは多いけれど、自分で自分の人生を決めていきたいと思います。」
今回の日本政府による国費留学の件も、彼女は迷いながらの選択です。しかし、決して今の状態に満足しているわけではないから、それに決して妥協はしないということです。でもヤンゴンには出て行く気はないと言います。もちろん経済的に多額のお金がかかると言うこともあるけれど、彼女はやはり「パオ族であること」をいつも考えているのだと思います。だから故郷の近くにいるという選択肢を守り続けます。
それは前に訪れたブータンでも同じことを感じました。
「ブータン族であること」
それは生きていく上でとても大切なこと、つまり人間の「芯」なのでしょう。苦しい時、迷った時、人はその「芯」~原点に戻るのだと思います。改めて僕たち日本人にはどんな「芯」があるのか、とても考えさせられる言葉でした。
こんなイェイェさんの生き方をみて、妹のスーは既にタウンジーの進学校(高校)に転校しました。村からお金をかけて通う高校のさらに上を目指しているのです。
また高校1年生から、30キロ以上離れたアンバンの街にある進学校に通う女子も現れました。みんなイェイェさんが相談に乗っています。
教育が村を変えるというのは理屈としては理解できますが、実際にこの目でこの身で感じることはなかなかないと思っていました。
でも明らかにミャッセ・ミャーの子どもたちは変化しています。まさに「成長モデル」としてのイェイェさん。これからもずっと応援していきたいと思います。
まずは新中学3年生の13人の里親を募集しております。是非と思われる皆さんは、
まで!
お待ちしております。
桑山紀彦