地球倫理推進賞の受賞

 今日は、倫理研究所主催の「地球倫理推進賞」の授賞式が東京は水道橋近くの研究所本部でありました。

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 これは、地球環境に貢献している国内外の団体を表彰してくださるものですが、今回はガザなどにおける子どもたちの心のケアに貢献していると言うことで受賞となりました。本当はこの3月下旬に授賞式でしたが、震災により延期されていたのです。今回は倫理法人会の皆さんの研修会もかねて「地球のステージ」公演もさせてもらいました。
 皆さんとても熱心に聞いて下さり、本当に心洗われる思いでした。皆さん涙や笑いで心の底から聞いてもらえました。こういう場面になると本当に被災地の人間として救われた思いになります。ステージがこういった時、被災地とそうでない所をつなぐ役割になるんだなあと思いました。これから始まる全国のステージにおいて、改めて被災地の様子が気持ちの中で伝わっていくと良いと思えたステージでした。
 副賞は100万円です。こんな時だからこそ本当に救われました。
 そして故障続きで遅れてばかりの新幹線で仙台に戻り、名取に帰りました。17時30分からは高舘小学校避難所の巡回診療です。今は半数くらいの方が、日中家の片付けや仕事に出かけていて留守が多い状況ですが、代わりに高齢者の皆さんの受診が多くなります。
 今日も眠れない、不安になるという訴えはもちろん、風邪やお腹を下した方の受診がありました。そんな中で閖上中学校に通っている子どもたちに会います。
「学校どう?」
「うん、仲間に会えて楽しい」
「授業は?」
「まあまあ始まった」
「部活動は?」
「うん、体育館を使うバレー部とかは始まったけど、何せ小学校の体育館を借りてるから小さくて・・・。バレーのコートが一面とれるくらいなんだ」
「バスケット部とぶつからない?」
「うん、今のところは大丈夫。でも外でやるテニス部とかが、どこでやったらいいかわからなくなってるんだ」
「そっか、なるだけ普通に戻りたいよなあ」
「ウン・・・」
 小学校の校舎を間借りしてのスタートです。親御さんも心配がありますね。明日は、そんな閖上小学校中学校の親御さんたちに集まってもらい、「子どもたちの心のケア」というテーマで講演です。もちろんそのあとは、質疑応答ですね。
 いま、家を失い家族も失って間借りの学校で学びながらも希望を持とうとしている閖上中学校の子どもたちや親御さんのために何ができるか、着実に一つずつ進めていきたいと思います。
桑山紀彦

地球倫理推進賞の受賞」への8件のフィードバック

  1. 昨日、今日と連続のステージ、お疲れ様でした。今日は皆さんに被災地の今も伝えられた充実したステージ何よりです。
    これからのステージでも、特に中・高生にむけての時は心がおれそうに鳴子とがあると思うけど、ファイト一発!です!伝わってるものは絶対あるから。
    全く、桑山さん、一人何役ナンでしょうね!分身の術でも使えれば良いのに。大変じゃけど、いつでも愚痴聞きます。(と、みんな思ってます。)

  2. 「地球倫理推進賞」受賞おめでとうございます。
    表彰してくださった団体のみなさんも
    ステージを感動で迎えてくださって
    嬉しいですね。
    日々の地道な活動の積み重ねが
    今日の受賞に続いているのですね。
    その足で新幹線の故障もものともせず
    名取に戻られ心のケアに取り組む。
    受賞をしてもしなくても
    変わらず地道に活動されることが
    次はどこに続いているのか
    楽しみになります。
    ほんとうにおめでとうございます。

  3. 評価されたことはうれしい限りです。
    地球のステージの拡がりが一段あがりましたね。よかった!よかった!
    昨日のこと~少しは吹っ切れると良いのですが・・・
    これからもたくさんの良いことと、少々残念なことがあるでしょうが、変わりなく活動を推進してください。

  4. まずは、おめでとうございます。
    桑山さんが「地球倫理推進賞」を受賞された事、とっても嬉しくて(自分が何かした訳でもないのに)周りに自慢して回っちゃいそうです。
    3月下旬予定の授賞式がこの時期になったのは震災が起きたからでしょうが、だからこそ、被災地での桑山さんの活動に対しての表彰でもあるような感覚になりました。
    「地球のステージ」で被災地とそうでない所をつなぐ役割を果たしつつ、Dr.桑山として、ご自身を含めた被災者の心のケアにたずさわるお忙しい日々~どうぞくれぐれもご自愛くださいますよう。

  5. 受賞おめでとうございます。
    私事のようにうれしいです。
    そして ステージがこころに染み入る共有の場になったようですね。
    よかった。良かった。
    昨日 友人宅で 久しぶりに パソコンでブログを見ました(いつもは携帯なもので・・)
    そして 桑山さんの声や歌を しんみり聴きました。いつも聞いていた声なのに なんだか 違って聞こえました。
    聴く側のこころの持ちようなのですよね。

  6. 地球倫理賞、受賞おめでとうございます!\(^o^)/
    これまでの活動が評価されて良かったですね。
    桑山さんの胸にまたバッジが一つ増えるかしら?今回はバッジはないのかな?
    右側に写っているのは明ちゃん?事務局長として奮闘してくれていますね。
    晴れの席でいいステージが出来て何よりでした。
    5月からぼちぼち予定が入っているようですね。
    交通事情も不安定ですが、全国の皆さんにステージを届けてくださいね。

  7. 地球倫理推進賞
    受賞、おめでとうございます。
    あいかわらずなにもできませんが
    遠い空の下から応援しています。
    お体に気をつけて。

  8.              旅行と旅   
    地球倫理推進賞受賞おめでとうございます。
     もっと、もっと、沢山受賞していてもいいと僕は思うのですが!!
     以前、僕が勤めていた紀央館高校で桑山先生の話が出たとき、「桑山先生がやっていることは、ノーベル平和賞だよ」と仲間の教師にいったことがある。自己利益だけでなく、自己を省みず、世のため、人のために尽くす人は、僕の周りには皆無といっていいぐらいいませんが、世の中にはそういう人はいるものです。
     東北国際クリニックに来ておられたロシナンテスの川原先生もそうですね。
     川原先生は以前外務省に勤務されていたのだそうですが、そこを辞め、貧しいスーダンの人々のため尽力されています。外務省を辞めたとき、収入が10分の1に減ったそうですが、こんな人がどれだけいるでしょうか。奥さんが家計のほとんどを賄っているそうですが、誰れがこんなことができるでしょう。
     私たちは、人のために、自分がなにができるか、人のためにどんなことができるか、そんなことを考える人がどれだけいるでのでしょうか。
     最近、腰が痛く、ギックリ腰のせいで、最近接骨院に通っているのですが、そこでの話しです。70歳ぐらいの老人が。
     「わしも海外へあちこちへと行ったんだよ」
     「どのへんを回ったのですか」
     「フランスからドイツ、オーストリアやスイスといったところかな」
     「前もどこかへ行ったと云ってませんでしたか」
     「オランダからデンマーク、スウェーデン、フィンランドといった北欧を回った」
     「海外はやっぱり、いいですか」
     「いいねえ、海外旅行は最高だね」
     それを聞いて僕は思った。
     その旅行って、「旅」だろうか。
     ツアーで旅行会社の人に連れってもらっている。それははたして「旅」なのだろうか。それは単なる移動なのではないだろうか。
     桑山先生は、フィリピンで出会ったロエナスとの出会った。
     川原先生はスーダンで貧困に喘ぐ人々の群に触れた。二人はけっして、それは「旅行」をしたわけではなかった。
     僕たちはそんな大それた「旅」ではなくとも、たとへ旅行会社が企画したパッケージツアーであっても、何かの発見をすることが大事なのではないだろうか。それが「旅」へとつながる。発見がなければ、旅行は単なる移動にすぎないのではないだろうか。
     沢木耕太郎は「旅する力」の中でこのようなことを言っている。
     ーーー旅に教科書はない。教科書を作るのはあなたなのだ。ーーーーー
     桑山先生も川原先生も、自分の教科書を作ったのだと思う。
     ノーベル賞作家、ジョン・スタインベックの言葉。
     「旅は一つの実体である。そこには性格があり、気風があり、個性があり、独自性がある。旅は人間である。同じものは二つとない。」
              ジョン・スタインベック著「チャーリーとの旅」 大前正臣訳
            
                和歌山 中尾より
     

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