ガザとヨルダン川西岸

昨日は金曜日。

イスラムにおいては休日なので、カウンターパートのナーセルさんとバーベキューに出かけました。

ラマラ市内にある公園。そこにはたくさんの家族連れがやってきて思い思いにバーベキューをしながら子どもたちを遊ばせています。

今日はナーセルさんのご家族と一緒ですから長男、ガッサン夫妻と子どもたち2人、ナーセルさん夫妻と奈美さん、明ちゃんの大人6人、子ども2人(うち1名生後6ヶ月)という少人数編成なのに、ものすごいお肉を焼きます。どう見ても食べきれない…。

しかしこれは野外で焼くことに意味があり、そのままこの料理は家に持って帰って夕食になるわけですから、食品ロスはありません。

この光景を見て、ガザのことを思いました。

同じパレスチナなのに、ヨルダン川西岸は物がたくさんあり、電気も水も普通にあります。仕事がたくさんあって、才能ある人はいくつもの仕事を掛け持ちしています。ガザと全然違う。余りの違いに哀しくなり、アーベッドたちの苦悩を思うといたたまれなくなりました。

そして隣のテーブルではハッピーバースデイの合唱…。

でも、ナーセルさんが言いました。

「今、誕生日を祝ってもらっている人はここにいない。もう13年もイスラエルによって獄中に閉じ込められている。家族は彼の誕生日を忘れず、ここへ来て祝っているんだ。」

ヨルダン川西岸ではこうして家族が引き裂かれています。

一見幸せそうに見え、豊かに見えるラマラの人々。でも彼らは常に横にいるイスラエル軍の動きにおびえています。

物がなく、生活基盤が崩壊に近い状態になっているガザだけど、家族が引き裂かれているという苦悩はありません。

比べることに意味はありません。でも双方には双方の苦しみがあります。

トランプ発言により国連への拠出金が凍結され、国連の学校に勤める人々の給与はこの6月で枯渇すると言われています。なぜ6月までは持つのか・・・。それは日本政府やヨーロッパのいくつかの国がこれまでの拠出金を増やし、アメリカが凍結した部分を補おうとしてきたからです。私たちの税金はここにも使われています。

それも6月までが限界。ナーセルさん一族は全ての大人が国連の学校で働いています。6月以降どうなってしまうのか…。

対立をあおる某国大統領の言いなりになるしかないのでしょうか…。

 

桑山紀彦

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