10年弾いたバイオリンとお別れしました。
仙台の松尾楽器店でバイオリンと弓を購入しずっと弾いていましたが、オールド・ジャーマン(古いドイツ製)のバイオリンの堅い音になじめず、3年前に大阪の代理店からオールド・フレンチ(古いフランス製)に変えたら、その甘い音に惚れてこの3年間ずっと使ってきました。
そのためこのオールド・ジャーマンはずっと部屋の飾りになっていました。楽器はやっぱり弾く人のもとにいくべきだと思うのです。弾いてもらって楽器は生きていきます。
古いバイオリンは、人生の一時(いっとき)自分と一緒にいますが、やがて別の主の元に映っていき、100年、200年と継がれていきます。だからお金を出して買うけれど、その「一時(いっとき)だけ共にいるだけ」というものです。自分の所有物という感じではありません。
今回東京の松尾楽器店でこのバイオリンと弓を引き取って戴き、それを同等額の1本の弓に交換して戴きました。
考えてみれば1本の「木ぎれ」のように見える弓ですが、オールド・フレンチの腰の強い弓になりました。やはり出てくる音が違います。
これからのステージはそんな古いフランス製のバイオリンと弓で、皆さんの元へ…。
桑山紀彦
楽器への拘りに桑山さんの誠意を感じます。