今日は島根県益田市、益田実行委員会の「地球のステージ2017」でした。
益田の皆さんは山藤さんを頭(かしら)に、多くの人々が関わる大きな実行委員会です。特に最近は島根県立大学の皆さんが積極的に関わってくれて、年代層が拡がりました。驚くべき組織力です。
「番号をつけない」という方針の益田実行委員会からは、今回「旧ユーゴスラビア篇」の復活を依頼されました。そこで一からお話を作り直し、アリッサという、とても大切な人の物語を中心に再編成。映像も一から作り直しました。もちろん楽曲は「国境に咲く花」。久しぶりに歌いましたが、バイオリンパートは常にリハーサルの時に弾いているので、ぜんぜん違和感なく歌い、弾けました。
今回の旧ユーゴスラビア篇で伝えようと思った内容は「後悔」です。
旧ユーゴスラビアは僕が初めて心のケア、心理社会的ケアを始めたところです。オスロ大学での留学が終わり、そこで得た知識を展開する絶好の機会でした。
でも十分経験がなかった僕は、色んな意味で未熟でした。だからアリッサに対しても十分な心理社会的ケアが展開できなかったという「後悔」です。
それでも、アリッサは自分なりに生きる道を見つけ、今も元気にクロアチアに生活しています。定期的に会いにいっているけれど、最近は「絵本を作る」という目標を持っています。それはとても嬉しいことだったけれど、なんの力も貸してあげられていません。
だから今、神奈川県警の犯罪被害者ネットワークに参加して、犯罪被害に遭った人やご遺族の心のケアを受け入れています。それはいつも、アリッサへの思い、特に後悔の思いを忘れないと言うことで使命感を得ていることにつながっています。
情けない自分だけれど、だから「これから」やるべき事をやる、そんな内容で展開させていただきました。
滅多に公演することはないであろう「旧ユーゴスラビア篇」ですが、必要に応じて語っていきたいと思います。
来年は12月9日(日)。助成金が全てなくなっている中で、苦労しながらもあきらめない山藤さんたち。共に歩んでいきたいと思います。
桑山紀彦