大学生、モハマッド

モハマッドは、今「地球のステージ」が学資支援をしている大学生です。

(2017年、21歳のモハマッド)

(2009年、13歳のモハマッド)

13歳のあの日、「色を塗らない空場の街」を描いたモハマッド。「占領されて空爆されている僕の街には”色”なんてない」そう言い切ったモハマッドは成長し、今21歳の大学4年生になりました。

ジャーナリストになりたいという夢をずっと持ち続け、現在は大学で経営学を学び、日常的にはガザのジャーナリスト集団の仲間入りをして今写真を勉強しています。

あと2つの学期を学習すれば、大学を卒業するモハマッド。年間1800ドル(約20万円)の授業料を「地球のステージ」は支援しながら、彼の卒業を待っています。

あと2学期分、1200ドルの支援で彼の大学生活も卒業を迎えます。

ラファにおける心理社会的ケアの活動にも、ボランティアとして常に参加してくれているモハマッドは、よき仲間として長い時間を共に過ごしてきました。

 

一眼レフカメラの持ち込みが厳しく制限されている今、彼が望むような望遠レンズは持ち込めなくなってしまいましたが、レンズで寄れなければ自分が寄るという方法でいい写真を撮り続けてほしいと思います。

失業率常に8割を超えると言われているガザ地区において、大学卒業後自由業に近いジャーナリズムで食べていくことは非常に困難かも知れないけれど、「本当のことを伝えるのが、自分の役割」といつも訴え続けているモハマッドのその強靱な「意思」に、物事がしっかりと呼応してくれることを祈りながら支援を続けていきます。

「地球のステージ」の公演を開いていただくこと、会員として会費を払って頂けること、地球のステージのグッズを買って頂けることがすなわちこのモハマッドの夢をかなえるために使われてもいます。

「なせモハマッドだけ?」

と思われる方もいらっしゃるかも知れません。でも、全ての人に平等に接することを考えていたら、どれほどの金額が必要になるでしょうか。公平、平等にしばられたら結局誰一人も支援できないことになります。僕たちは常に「固有名詞の関係」を大切にしてきたのです。そしてそれは常に「地球のステージ」に登場する主人公になっていきました。

たまたま出逢ったモハマッドだけどその出逢いの意味に従って、その人を応援し続けることが大切だというスタンスでこういった支援を続けています。

他にもたくさん支援が必要な人はいるでしょう。

でも僕たちはモハマッドと出逢えたのです。その出逢いを大切にすることがすなわち、世界とのつながりを身近に感じることにつながると信じて、このモハマッドを応援し続けていきたいと思います。

 

そしていつか彼が日本を訪問することができる日を願いながら…。

桑山紀彦

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