真夏の北九州公演

今回も九州パワーに圧倒されました。
　灼熱の福岡空港に降り立ち、レンタカーで北九州へ。
　もう通い慣れた路ではありますが今日は緊張します。北九州、小倉カトリック教会のステージです。呼んでくださったのは、ミンダナオの会の皆さん、そして主任司祭の山元神父様です。

ミンダナオの会と小倉教会の皆様
　桑山はいつも歌う時、譜面代の受け部分にメダイというお守りをおきますが、それはこの山元司祭からもらったもの。一緒に全国を旅しているメダイは故郷に戻りました。
　すべてが暖かい雰囲気の中で事の進む教会のイベントは、この世の喧噪や悪、憎しみから離れてひたすら善意の中に人間が存在する大切な空間です。そこに集うミンダナオの会の皆さんは生粋のNGOでありますが、本気でミンダナオ島の子どもたちの胃教育イベントに関わる熱血の集団です。
　正直フィリピン支援はたくさんの団体が行っていますが、ミンダナオはまだまだゲリラ戦の激しい地域であり、首都マニラのあるルソン島とは危険度が桁違いに違います。それでも、ずっと支援を続けている皆さんは、それでも日常的には普通に北九州地域に暮らす普通の市民です。でも、やはり「継続は力」とは、彼らのためにある言葉でしょう。来週から神父様も10日間、現地に入られます。
　広島の8月6日から、終戦の15日までを「平和週間」と位置づけ、小倉カトリック教会はその間の日曜日に大きなイベントを行います。その中で呼ばれたのが「地球のステージ5」でした。
　5番はステージの最終章であり、紛争がテーマになっている重い番でもあります。しかし今回のイベントにはぴったりで、教会のお御堂には一杯の人が集まり最後までとてもいい雰囲気の中に公演することが出来ました。新作の「ガザ危機篇2」や「新曲：風のモハマッド」も好評で、暖かくも強い拍手に励まされました。
　北九州には服部さんという方がいらっしゃいます。
　人と人をつなぐ服部さんは、身軽に京都の公演にいらっしゃったりで、見たステージ回数は100回を超えました。服部さんがすごいのは、「地球のステージ」を介して九州の人たちをつないでいくことです。今回も服部さんの周りに集う人たちとともに、教会を一杯にしてくれました。まさに「無償の心」で活動する服部さんはこの8月8日が記念日だといいます。
　「5年前にね、福岡県の人権同和教育研究協議会の夏期講座で初めてステージを見たのが8月8日だったのよ。だから、私にとってはその日が記念日」
　そういえば、山梨の小須田さんも、数年前の10月18日、駒ヶ根訓練所で初めてステージを見られてからの関わりですが以来ずっと18日に募金してくださいます。
　「ステージと出逢った日を忘れないためなのよ」
　そんな熱くも、清らかな心の人たちによって、ステージは支えられています。
　昨日のステージの最後は、神父様も、ミンダナオの会の皆さんも一緒になってモノレールで小倉駅まで送って下さいました。

小倉駅の新幹線駅の入り口、左手前は廣田さん。二日市教会に導いてくれた九州の草分け
モノレールの車内で皆さんが桑山を囲んで記念撮影して下さいましたが、ギターを背負ったその男が写真撮影の中心にいるのを見た若い小倉の女性たちが、
「あの人有名な歌手？」
「いや、知らんたい」
　と言っていたのが何ともほほえましく思いました。
　「平和」をどうとらえるか、それは人によっても様々かと思います。でも、「戦争と平和」だけでなく、自分の心の中に平和をもたらすという視点で考えれば、ぐっと身近になります。そしてそれはきっと何か「無償のもののために自分を動かしてみること」で具体化するものなのではないでしょうか。
　九州のみんなと再会するとますますそんな気持ちになるのです。