撮影一日目

今日は1日撮影でした。

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 今回の映画は半分ドキュメントで半分フィクション仕立てであることは前作「ふしぎな石~ガザの空」と同じですが、子どもたちも入れ替わり、今回はエイマン、アーベッド、ユムナ、ラマー、モハマッド、アルワという6人の子どもたちと共に撮影に臨みました。

 みんな国境地帯に住む厳しい経験をしてきた子どもたちばかりです。

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 今日の撮影で嬉しかったことは、うちのスタッフのアーヤがとっても積極的に撮影に取り組んでくれていることです。アーヤは弱冠23歳。大学を出たばかりの彼女は就職先として我が「地球のステージ」を選んでくれました。

 若い女性は早々と結婚して子どもを育てていくのが普通と思われているパレスチナ社会の中で、子どもが好きなアーヤはうちで働くことを選んでくれました。年上のおじさんたちを相手に、ちゃんと質問もしてくるし、何よりこの仕事をしっかりとこなしたい!という熱意にあふれています。

 今日も最初はカチンコをならす役でしたが、そのシーン番号やテイク番号の入れ方は完璧。しかもカチンコはその打つ位置がカメラマンにとって邪魔になることが多いのに、アーヤは全く邪魔にならない打ち方をするのです。昨年の一作目を見て、自分なりに覚えたのだと言います。こういう向上心こそが、一緒に働いていて頼もしく感じるものです。

 それは現在の名取事務所を支えている弱冠27歳の武田絵莉香を彷彿とさせます。絵莉香さんも若いのに向上心を持っていろんなことに取り組んでいる頼もしいうちの名取事務所の「要(かなめ)」です。アーヤの姿に絵莉香さんがダブりました。「地球のステージ」はこういった若い力にも支えられています。

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 さて、撮影はその後あのモーメッドの店に進みました。モーメッドはさすが!の一発テイクで全てのセリフを見事にこなしました。

「そりゃあ第一期生の意地を見せないとね」

 と語ります。そしてちゃんと、

「僕たちはフロントラインの第一期生だ。あの活動は最高に楽しかった。そのおかげで僕は今兵士にならずにここにいる。」

 と語ってくれました。13年、続けてきてよかったなあ、と思いました。

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 そして撮影はあの空爆の農園「アル・バユク」へ。そして登場したのが農夫、ヤシーンです。もちろん「知る人ぞ知る」内容ではありますが、前作映画「ふしぎな石~ガザの空」で誰もがうなる演技を見せてくれたうちのスタッフ、ヤシーン。今回もあの農夫の姿で登場し、子どもたちに大切なことを伝えました。

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 今回は「技術移転」が目的ですので、僕は基本的に監督を務めてはいますが、うちのスタッフに代わる代わる音声さん、助監督さん、カチンコさんを務めてもらいながら撮影をすすめていきました。明日の撮影ではカメラもうちのスタッフに任せて、僕は後ろから見守るような形にしていきたいと思います。

 みんな映画や撮影が大好きなパレスチナ人です。

 いい感じで心のケアが進んでいます。

 

桑山紀彦

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