今日は朝からあの杏太朗くんと語り合いました。
杏太朗君はあの番組の主人公として紹介された少年です(詳しくはこちら~https://youtu.be/_OaYvYSpb5M)。杏ちゃんとは久しぶりでしたが、家は住める状態ではなく、ずっと南阿蘇中学校の避難所で暮らしています。今日は、杏太朗君と「大好きな故郷の風景」の粘土版。三次元制作に取り組みました。
杏太朗君は迷うことなく「阿蘇山」を作り始めました。そしていろんな想い出を語ってくれました。今は入れなくなっている阿蘇だけど、その草原の美しさ、登山したときに忘れられない形の樹があったのだと語ってくれました。こうして震災で多くのものを失った故郷ではありますが、多くの想い出と時間によって支えられていることを二人で確認しました。
そして最後に杏太朗君に聞いたのです。
「今はどんな気持ち?」
すると彼は応えました。
「せっかく助かった命だから、これからきっと良いことがあるって思っている。」
と。
もうみんなで涙ぼろぼろ。NHK仙台局の宮本カメラマンが取材に入っていましたが、う~ン、うなる一言でした。
これが南阿蘇の村に生きる4年生の本音です。
そしてそんな杏太朗君の家に行きました。風光明媚な阿蘇の山、乙ヶ瀬の集落にその家がありました。一目見てこれはもう住めない、と思いましたし、杏太朗君は家の中を案内してくれましたが、「よくぞこれで生き抜いた」というくらいひどい破壊です。
「よく命が助かった」
と思うほどの破壊で、裏山は崩れ、杏太朗君の家がその土砂を受け止めている状況でした。
この被災を受けてなお、
「せっかく助かった命だから、きっと良いことがある。」
そう言える杏太朗君に負けないで生きていきたいと思いました。
午後からは琉音さんたちと色塗りでした。
自分の家の屋根にどんな色を塗るのか、実はドキドキしながら見ていました。でも琉音さんはこちらが何も言わないのに、
「屋根は今ビニールシートだらけだから、青だな。」
と独り言を言って青で屋根を塗り始めました。
「でも、本堂のビニールシートは一部だけだから、基本は瓦の黒。この部分が青だな。」
まさに自宅のお寺それと同じ状況です。
ちゃんと向き合っているなあと思いました。
明日は琉音さんのお寺「浄林寺」に出向き、ドローン撮影を行います。自分の被災したおうちを空から見るのは辛いかもしれないけれど、視点を3次元に上げることで情報の量が増え、より一層向き合えると判断しています。ドローン映像をこころのケアに使う初めての日が来ます。
そしてその後は琉音さんたちに「南阿蘇の大好きな風景」に連れて行ってもらい、その空撮を行います。
明日は11時から西小学校の先生と話し合いを持ちますが、今後長期にわたって学校の中でのこころのケアに対応していく話し合いです。
さて、明日は一旦最終日。ここに常駐する最後の日ではありますが、関わりはまだまだ続きます。たくさんの友人ができました。
みんな皆さんの支援のおかげです。
桑山紀彦
お疲れ様です。どこのニュースより心情が伝わる報告を有り難うございました。子供たちのジオラマをみたら大人も気持ちの整理がつかけやすくなるかも、きっかけになって欲しいです。阿蘇は高校修学旅行思い出の地です。後方支援がんばります!!
杏太朗君のように子どもの健気な姿は大人を励ましてくれますよね。東日本大震災の被災地もそうですが、子ども達は被災者の希望です。夜の7時のNHKニュースで桑山紀彦先生が「家族で敢えて語り合う大切さ」を語っておられました。お疲れ様です。知り合いの熊本市内の小学校教員に地球のステージの支援活動と心理社会的ケアプログラムについて紹介したところでした。広まってほしいと願っています。
こんな風に、クライエントの個人情報やましてや作品を無防備に紹介するだけで、唾棄に値するよ。
深層表現は、最重要プライバシー。当人や家族が公開を承諾しても簡単に出すべきではない。学会発表だって慎重にするのに。信じられない。
それと、初期の暴露はダメって教科書で習わなかったのか??
基礎からやり直してきな。