喉の不調と静岡の中学生

年に1,2回は喉を壊すことがあります。

 今年は暖冬で、秋以降も寒さに曝されることもなく非常に喉の調子は良好でした。しかし昨日、外来診療の途中で「ん?」と思っていたら、今朝は喉ががらがら。これはどうしたものか、と悩み込みます。今日は2年目の静岡市立東豊田中学校です。昨年の聴く姿勢は素晴らしく、まさに誇れる中学校です。みんなも楽しみにしてくれているであろう今日のステージ2番。ちゃんと歌わなければなりません。しかし1曲目の「祈り」からもうぼろぼろでした。どうしよう…。
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 でも逃げるわけにはいかない。僕は思いきって中学生のみんなに問いかけてみました。

「昨日から風邪なのか、どうも喉の調子が崩れて今日はぼろぼろです。いろんなことに自信がない自分の人生において、”歌うこと”だけには唯一の自信があるのに、それが崩れてしまうと、もう消えてなくなりたくなるほど不安になります。それでも、逃げることはできないこのステージにおいては、”今日の自分のベスト”を目指すしかない。どうか、精一杯頑張るので、みんな見守っていて下さい。」

 子どもたちはみんなちゃんと聴いてくれて、かすれ声の歌の後、拍手はどんどん大きくなっていきました。

 もう泣けてくるくらい素晴らしいアシストをくれる中学生のみんな。3曲目からはずいぶん声が出るようになりました。やっぱり人間は一人ではなかなかうまく行かなくても、人に支えられると出るはずのない声が出るようになります。自分の中でも、この変化にびっくり。そのまま終わりまで語り、歌うことができました。

 教頭先生が今日の映像担当、優子ちゃんに語りました。

「さすがライブですね。子どもたちの支え(アシスト)で桑山さんがどんどん良くなっていく。今日も大切なことを教えてもらえました。」

 あきらめなければなんとかなる。

 それを体現させてもらった公演でした。
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 終わってすぐに静岡市内の耳鼻咽喉科に行き、喉頭鏡で覗いてもらいました。

「う~ん、ポリープもないし、特に心配することはないなあ。でも声帯が全体的に腫れて赤くなっているから、”使わなければ”すぐに良くなるね。」

「いや先生、明日も歌うんです。」

「う~ん、仕方ないなあ。まあお薬と吸入液出すからそれでメンテナンスするしかないね。」

 というわけでネブライザーの溶液を有償で分けてもらい、吸入しています。

 自分をさらけ出して行くことはなかなかに勇気がいります。でも、本当のことはたった一つ。しっかりと向き合っていけば必ず道は見えるはずと信じて、明日のステージに臨みます。

 明日から東京→福岡→沖縄と、遠征が続きます。喉を整えてこのツアーに備えたいと思います。明日からはまた大根ハチミツだなあ。

桑山紀彦

喉の不調と静岡の中学生」への2件のフィードバック

  1. 風邪もあるとは思いますが、耳鼻咽喉科の先生のおっしゃる通り使い過ぎとも思います。
    今日は早々におやすみになり、大変でしょうが、明日からのステージを頑張ってください。
    今年は様々なことがある1年と思いますので、是非ご自愛ください。

  2. 喉の具合は大丈夫ですか?年間通して歌われるのに、いつも調子よくいられるなんて、難しいことですよね…
    ブログを読んでいて、そのまんまの自分をさらけだして、思いを伝えていくことの力を強く感じました。
    なかなか、そうはいきませんが、本当に人に思いを伝え、繋がりいっしょに前へ進んでいける…なんて素晴らしいことだ!と、じいんときています。
    ますます乾燥の季節、喉、おだいじになさってくださいね。

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