短かったけれど、無茶苦茶ハードなフィリピンの撮影は今日の午前中で終わりました。
先日グーグルでロケハンをしたカビテ州のカーウィットは、マニラ市内から30分ほどクルマを飛ばせばつくことのできるふしぎな海岸です。まるでカニの手がすっと伸びて、海の生きものを守っているような、そんな地形。その湾をバコール湾と言いますが、その入り口一面に養殖用のいけすが人工的につくられています。豊かな海の自然を誇るフィリピンらしいのんびりとした風景です。
そこでドローンをたくさん飛ばしていました。
最終日の今日は、これまで長い付き合いのあるジーナと共に出かけました。彼女とは通算で6年間一緒に仕事をしました。当時の僕の仕事はこれから日本に出かけていくフィリピン人女性に、正しい日本の知識を伝えるPre-departure Orientation、そしていろんな理由でフィリピンに還ってこざるを得なかったフィリピン人女性を帰国後に支える、Post-Arrival Supportでした。ジーナはBatis Center for Womenという団体を率いており、良きカウンターパートナーとして活動しました。
(向かって右端がジーナ)
現在ジーナはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の仕事をしています。それは中東から逃れてきた難民の皆さんのサポートをする仕事。もちろん最終目的地はアメリカやカナダだったりしますが、まずはフィリピンに一旦落ち着き、そこで体制を整えて北米に行く難民(主にシリア難民)の皆さんのお世話をしています。相変わらず精力的なジーナの「今」に感動しました。
ドローン撮影は、地元の子どもたちにとってもとってもエキサイティングな経験です。人なつっこいフィリピンの子どもたちはすぐに寄ってきてはドローンに手を振ってくれます。逆に近づきすぎないように気をつけなければいけないほど、興味津々です。この素直さ、まっすぐさがフィリピンの魅力です。
そして必ず聞かれるのが、
「いつここに帰ってくるの?」
本当に人の心の中に垣根を作らない、フィリピン人らしい言葉が飛び交います。
案の定、羽田行きの飛行機は遅れそうです。どのくらい遅れるかのアナウンスもないほどにおおらか。これを鷹揚というのか、困ったと嘆くのか。
フィリピンとの付き合いも28年になりますが、相変わらず国際協力の原点であることに変わりはありませんでした。
ドローンを多用した今回の新しい「フィリピン篇2」。それはもちろん定番の「フィリピン篇」~ロエナスとの出会いとは全く異なるバージョンですが、頑張ってお正月に制作します。
いよいよ帰国です。
桑山紀彦
ロエナスの消息は全く掴めませんか?
再会してほしいですね。
ドローンの威力まざまざです。
それにしてもフィリピンに累々とした山並みがあるのに驚きました。
島国のイメージで全く認識不足で勉強になりました。
「フィリピン篇はきっと美しいでしょうね。
空の青さ、それを反映したようなバコール湾の水の青さと緑、
時が止まったような感じを受けるこの写真、とても気に入りました。
また、子ども達はどの国に行っても無邪気で笑顔がいいですね。
子ども達の「笑顔」を撮影している写真家の北川孝次さんが、
パネル展に際し、「わたしたち大人が子ども達の笑顔をどう守っていけるか、、
写真から何か訴えられればと思っています。」と話されました。
今年こそは世界中の多くの子ども達に笑顔が戻りますように。