今日はずっとやり残してきた、「子どもたちの証言録」の撮影でした。
丹野さんや小齋さんの証言録は既に完成し、「閖上の記憶」で上映するまでになっていますが、一方、あの日を経験した子どもたちが何を思い、何を感じているのかきちんと残しておくべきだと思い、今日は閖上小学校に入りました。
証言をしてくれるのは映画「ふしぎな石~閖上の海」に主演してくれた陽向(ひな)さん、一花(いちか)さんです。映画出演時は小学校4年生でしたが、現在は6年生、最上級生になっています。
みんな懐かしく母校に戻っていきましたが、覚えているところと曖昧になっているところがあり、それは「まだら状」のように見えました。年月がたつとそのように記憶はまだらになる傾向があります。それでも、陽向さんはとても鮮明にあの日を覚えている感じでした。しかも、その時に感じた感情、情動についてもきちんとコメントしていました。心の中が整理されている様子が伝わってきます。
そんな陽向さんが言いました。
「私たちはあの辛い経験をして、命の大切さと、人の絆の大切さを学びました。これからもしも同じようなことが起きてもそれに打ち勝っていく力を得たと思います。」
う~ん、小学校6年生でこの言葉が言える!たいしたものだと思いました。そして閖上小学校を残すかどうかについてはこう語りました。
「たった1年しかいなかった小学校だけど、思いでもあるし、壊してほしくない。でも、その一方で新しい小学校と中学校ができることにたくさん期待している。だから、素敵な学校をつくりたいと思っています。」
素晴らしい本音でした。
残すべきであるところも、次に進むべきところもきちんとコメントされていました。この小学校6年生の気持ちに添って、街づくりをしていく必要があると痛感しました。
急いで編集して作品にしていきたいと思っています。
桑山紀彦
大きく痛烈な体験を糧として強い気持ちと意志を持てる人間になったこの子たちの存在はまぶしく見えます。
子供たちの成長をみると、とても嬉しいですね。
これから閖上がいい形で、復興していくのを願います。