奈良の高校生

今日は奈良の育英西中・高等学校のステージでした。

 前回は2010年11月でしたので、その5ヶ月後に津波が来たことになります。5年ぶりの育英西は変わらず山の上に静かにたたずんでいました。

 実は今日、唐招提寺の鑑真和上像の公開日にあたりました。年に3日しかない貴重な日にこの唐招提寺から7キロの学校でステージとは巡り合わせだと思い、唐招提寺に赴きました。

 歴史の教科書で見たあの「鑑真和上像(がんじんわじょうぞう)」が目の前にありました。とても小さな鑑真和上。5回もの唐への渡航が嵐で阻まれ、ついに失明してしまう鑑真和上ですが、なんと6回目に成功して大陸へ渡りました。まさにあきらめない鑑真和上。すごい人たちが日本の先人にはいらっしゃいます。これからも「あきらめない人生を送りなさい」と言われているようでした。

 さてその後育英西に向かっていたら、なんと富雄駅の角にラーメン屋「あまのじゃく」を見つけました。
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 これは先の郡山高等学校のステージ公演の終わり、質疑応答でさんざん出た、

「ぜひ、富雄駅前のラーメン屋”あまのじゃく”に行ってください。世界一うまいラーメンです。」という複数の高校生の薦めがあったラーメン屋です。しかしなんと17時からの営業で、「スープがなくなったら営業終わり」というプロ根性に徹したその妥協しない姿勢のため、16時の時点であきらめました。いつかこの「あまのじゃく」のラーメンが食べられる日が来るのでしょうか。

 さて、育英西です。
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 ここは女子学校なのですが、とっても素直で優しいみんなが聴いてくれて、感動しました。最後の震災篇はこの学校では初めての公演になりますが、丹野さんのシーンは、前の方の中学生、高校生が泣いています。何という感受性の持ち主でしょう。

 未来に期待が持てました。
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 そして質疑応答です。ゆっくりとだけれど、ちゃんと手が挙がる中学生、高校生。特に感動したのは中一の女子生徒からの質問。

「もしもフィリピンのあの少女に逢えたら、何を伝えますか?」

 すごい質問です。

「そうですね。ありがとうを伝えたい。あの時の出逢いが僕という一人の日本人の人生を変えたことをちゃんと伝えたいです。

 でもね、きっと伝えられないから日々の活動を頑張ろうと思うのだと感じています。伝えられないからこそ、またフィリピンに行こうと思うし、いろんな国での出逢いを大切にしようと思うのだと思う。

 逢えてしまったら、逆にそういった気持ちが薄れてしまうのかも知れません。

 人は満たされない方がいい時もある。僕は一生ロエナスに”ありがとう”を言うための責任を背負っているからこそ、これまでも、そしてこれからもがんばれるのだと思う。」

 伝わっているようでした。

 担当の先生からは、「また来年」のお言葉を頂きましたが、交通費を低く抑える努力をした上で、来年に臨みたいと思います。

 奈良の子どもたちは、本当に素直でまっすぐです。

桑山紀彦

奈良の高校生」への2件のフィードバック

  1. やはりフィリピン篇はインパクトがあり、観ている者に強く訴える何かがあるのだと思います。
    初心忘れるべからずですね>

  2. 育英西高校の生徒です。
    震災編が特に感動した理由は
    やはり身近に感じられる話題だったからだと思います。
    映画のワンシーン、
    息子を亡くしたお母さんの強い願いがひしひしと伝わってきました。
    また近いうちに来ていただいて、話が聞きたいです。
    本当にいい体験でした。
    ありがとうございます。

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