北アルプスを越えて

朝から故郷、飛騨高山の西高等学校のステージでした。ここの副校長は我がいとこの小林隆徳先生です。北海道大学に進み、有名な学生寮の寮長を務め、結局通常4年のところを8年、北海道の熊の研究をして故郷に帰ってきました。

 隆徳さんの使命はまさに高校改革。この西高等学校を素晴らしい高校に変革するために立ち上がり、見事それを実現してきました。
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 以前2回ほどステージを開いていましたが、ちゃんと聴けるのは当然としても今回感じたのは全体的な「和みの雰囲気と思いやりの気持ち」でした。挨拶が以前にも増してとても自然に交わせるようになってきていることが嬉しかったですね。飛騨に素直な高校生がこんなにいることが誇りでした。今日のステージ終了後の挨拶は3年生男子でしたが、名古屋大学医学部に現役合格。学力も素晴らしく上がっています。
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 ちなみにこの高校の卒業生に現在岐阜大学医学部4年生の長瀬大(まさる)君がいます。一昨年末岐大医学部生3人、教育学部生1人と一緒に東ティモールのスタディツアーに出かけましたが、大(まさる)くんのやる気、知識、優しさ、どれを取ってもすばらし青年だと思いましたが、そういえば、彼はこの高校の出身です。担任だった岩坂先生がちゃんと大くんの日々の活動のこと、私たちと組んでいいろいろやろうとしていることをちゃんと知っていることにも驚きました。

 卒業して4年、それでも卒業生の「今」を把握している高校の先生って、本当に嬉しいです。

 さて、小雪の舞い始めた高山をあとに、御嶽山のふもと長峰峠を越えてJICA駒ヶ根訓練所に走りました。今日も2公演。しかも11時20分に高山市を出て、長野県駒ヶ根にたどり着いて15時10分からステージなのですが、間にあるのは北アルプスです。でも、意外なほど雪のない長峰峠をこえ、雪雲で見えない御嶽山の噴煙を想像しながら、なんと2時間ほどで駒ヶ根に着くことができました。これは松本へ抜けるルートよりも速いと思います。

 さて、平成26年度4次隊の青年海外協力隊の皆さん。
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 いや~感動しました。ずっと泣いていらっしゃる方、大きくうなずきながら付いてこられる方、前のめりになって聴く方。こんなに高い感受性の若者たちが日本にいます。一昨日の二本松訓練所もすごかったですが、駒ヶ根もすごい!4次隊の皆さんには本当に感動させてもらいました。

 質疑の時間もとても充実しましたが、中でもさすが、と思ったのが以下の質問です。
「フィリピンのロエナスのおばあちゃんに出逢って、その目がひどい病気だったわけですが、桑山さんは医師になっていたから目薬を差し出していた。でももし医師でなかったらどうだったでしょう。何もしなかったか、それとも…。」
僕は答えました。
「たまたま医師であっただけで、医師でなければ目薬という薬剤の代わりにティッシュでその目やにだけでもふてあげるとか、大切にしている布を湿らせて拭き取るとか、何かをしていたと思います。
資格があるから国際協力ができるのではなく、資格なんてなくても、いや、資格がないからこそ、多様な関わりができるのではないでしょうか。資格があるとついついそれに甘えて、”自分は何をすればいいの?”と傲慢になる。資格がないからこそ謙虚に考えることができて、アイディアと想像力がどんどん出てくるものだと思います。」
本心です。
ただまじめに生きているだけで、世界と関われると思っています。医師であることや、資格があることは本当に添え物に過ぎないと思っています。
 さて、物販売の場所に残られる方もいつもにも増して多かったと思います。そこでの出逢いはまた嬉しいものばかり。

 連続公演の北海道は、札幌清田高校のグローバルコース第1期生の方がいたり、横浜の小学校で友だちの協力隊OVの先生がステージを呼んでくれていたり。とにかく、

「人と人がつながることで、世界は大きく変わっていく」

ということを実感する時間でした。

 いつものように担当の小島(こじま)さんの的確な分析、そして仁田所長の熱いお気持ち。いつもの「駒ヶ根訓練所」がそこにありました。

 明日はJICAエッセイコンテストの記念公演。もう10年になります。

 こうして、国際協力、JICA、JOCA、青年海外協力隊の皆さんと過ごす充実の時間がいつまでも続いていきますように。

桑山紀彦

北アルプスを越えて」への1件のフィードバック

  1. 忌わしい事件の報道を横目に見ながらブログを読んでいます。
    驚異の雪中移動の先でステージを待っているのは春秋に富む多くの若者たち。
    ものすごく救われる気分です。

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