今日、ガザに入りました。
平穏で、いつもと変わらないガザ地区です。
イスラム国の影響はまず感じることもなく、人々はいつものように暮らしています。
特にイスラエル国内においては、これまでにないような落ち着きを感じました。空港の入国でも、
「ずいぶんガザに入っているね~。まあ、気をつけてね!」
と10秒で質問は済んだし、ガザに入るためのエレズの検問所でも、
「なんだ昨日誕生日じゃないの!おめでとう!」
などと言われました。8月の50日戦争を経て、今イスラエルとパレスチナは非常に落ち着いていると思います。まるであの2004年、タハニと出逢った「休戦の夏」のように。
さて、明後日は1年間の総決算である「総合発表会」です。
その練習風景を覗いてきました。みんな一生懸命です。
中でも演劇の練習は白熱していました。テーマは「戦後」そして「パレスチナの子どもを殺した人々への法廷」です。
子どもたちはもともと演劇が大好きです。だから中には感極まって涙を流す子どももたくさんいます。まだ練習なのに、すごい迫力です。
一人一人の証言者が何を見たのか、語っていきます。中でも頑張ったのは聴力障がいの子どもたち。一生懸命手話を使って説明していきます。その表情、身振り手振りはまさに「真実」そのもの。
そして最後は、「有罪」となり、空爆でパレスチナの子どもたちを殺した人は牢獄に入れられるという筋書きです。
まずはここまで来ました。
「敵」と「自分」。そこには怒りや憎しみの感情が渦巻いています。まずはそれを表現することが大切。もちろん敵に対して「有罪!」と伝えるだけでなく、その先に何が必要なのかも考えてほしいのは事実です。
しかし1年目の今はここまで。まずは自分たちが受けてきた被害をきちんと形にして表現すること、それが大切だと思いながら診ていました。
でもここで終わりなのではなく、次の年には、
「そのあとに、自分たちに何ができるのか。」
「どうしたら平和を得ることができるのか。」
を表現できるようになりたいと思っています。
子どもたちは確実に表現力が豊かになっていると思いました。
桑山紀彦
子供たちが自分で立ち上がる力が育まれ、この地に平和が息づいていると思うと感動的です。
何事もなく検問所通過で良かったですね。
毎日ニュースを見ていると世界のこと、怖いニュースばかり
この穏やかな記事を見て少しホッとしましたし、何より先生がご無事でいらっしゃることに大変ホッといたしました。