今日は天上の楽園の村、ファトボルの巡回診療でした。
(雨期の東ティモールではスタックが当たり前です)
ここはJICAではなく「地球のステージ」独自の仕事なので、もう慣れ親しんだ人たちばかりです。
天上の楽園と呼ぶのは、この村が尾根の上にある村だからですが、人も優しく、ほぼ自給自足の生活を守っているからです。でもひとたびそんな生活も病気になるとがらがら崩れていくので、私たちは人の健康を守るために、この村に関わっています。
(スタディツアーのみんなが、歌で手洗いの大切さを伝えます。)
今日は僕が70人、アイダが72人の診察をしましたが、驚くのはマラリアを疑わせるケースが1件もなかったこと。これまでは40件に1件くらいの割合でマラリアを疑うケースがありましたが、今回は全くそんな様子もありません。この国はマラリアを撲滅する寸前にまで来ているのでしょうか。既にWHOは、東ティモールを「マラリア対策優良国」として表彰していますが、その成果が出てきたのかもしれません。
一方今回のスタディツアーメンバーは頑張りました。
学生さん参加の山田優香さんと木村仁美さんはちゃんと子どもたちと仲良くなり、しっかりと遊ぶことができています。これは才能ですね。
そして産婦人科医の佐藤いずみさんと山形の助産師、沼澤彩子さんは陽さんと共に、数十人の妊婦検診です。日本とは全く環境の違う中、おなかに赤ちゃんがいるという絶対的な共通項を頼りに検診を続けていきます。
(向かって右がいずみ先生、そして彩子さん)
いずみ先生は今回で2回目の東ティモール。2回目らしく、慣れた状況の中で自分のできることを実現していかれます。彩子さんは今回が初めてですが、小学生の時、「地球のステージ」を見て影響を受けたと言って下さる、山形の助産師さんです。なんと平成27年度1次隊でインドネシア派遣予定になっている協力隊候補生です。
「現場に来られて気持ちが切り替えられた。自分がやりたことはこれだったとわかった!」
と言ってくださいました。
みんな気持ちのいいメンバーたちです。
陽さんが質問しました。
「やる気のないスタッフにやる気を持ってもらうにはどうするといい?」
それは陽さん自身もずっと考えてきたことです。
彩子さんは、
「ぶれない自分を見せ続けるといいのでは。」
ナイス。
「優香さんは、できそうな課題をたくさん経験してもらって、とことん褒めてあげる。」
すばらしいですね。
当の陽さんは、しきりに感じ入りながら聴いていました。
思うに、途上国の場合みんな「自分が良くなっていく」感覚に乏しいように思います。でもひとたび何かの拍子で「あれ、自分は前よりも良くなっているかも」と感じられると、自ら動き出すことが多いように思います。
そのきっかけ作りが大切なんだと思います。そのきっかけとして、
「ぶれない自分を提示し続けること。」
「課題に取り組んでできた時に、自尊心を大きくあげられるような体験をしてもらうこと。」
はとても大切だと思います。もちろんそんなうまくいくことばかりではないけれど、人間は人のために頑張っても息切れしてしまうけれど、自分のために頑張るんだったら踏ん張りがきくと思います。そこに価値観を持ってこられれば、人は変わりうるかもしれません。
そして「自分をいい方向へ変えたい」と願っている人は、実は周りへの影響性も非常に多く、人をやる気にさせていくと思うのです。
その意味では、この東ティモールで展開する私たちの事業も、「人のやる気とその気づき」に支えられていっているなあ、と思います。
ぶれない陽さんに、現地スタッフは大いに刺激を受けていると強く感じました。
実りの多いスタディツアーになったと思います。
桑山紀彦
私も、心からそう思います!!
私の今いるところで、
関わっている人達が、輝き始めるとき、幸せに思います。
私自身については、日々、同じところでぐるぐると「ダメだぁ、こんなんじゃ…」と、反省している情けなさがつきまといますが、それでも、ブレずにあきらめずに、進んでいます。
そして、気付けば、いつのまにか、周りの人が明るく頼もしく自分のよさを発揮しています。その人らしい笑顔の輝きに、励まされ、力をもらっています。
コメントすると、なんだか偉そうに聞こえますね
m(__)m
私は今、桑山先生のメッセージにとても力をいただいています。ありがとうございます。自分の本当の思いを伝えていきます!
「自分のために頑張る」言い得て妙です。
でなければ日本から出られませんよね。
不便さを感じさせない活動がそれを物語っているように感じます。